女人禁制の大峰山・山上ヶ岳でテント泊@小笹ノ宿

2021/03/30

2021年 テント泊山行 山行記録 雪山 大峰山系 登山

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女人禁制を守る修験道の聖地と世界遺産

このご時世に、女性の立ち入りが禁止されている山があることを皆さんは御存じだろうか。そう、それは奈良にある大峰山(山上ヶ岳)1719mである。大峰山、もとい山上ヶ岳界隈の五番関、阿弥陀ヶ森、レンゲ辻といったところには女人結界門が設置されている。詳しいことは知らないが宗教上の理由で山上ヶ岳一帯はこのご時世でも女人禁制となっているのだ。そんな女人禁制の山域で今回テント泊をすることとした。

女人結界門の中でテント泊してみた

山行概要

日程:2021年3月27日~28日
山行形態:テント泊
メンバー:がんちゃん、えだ

<1日目>
距離:13.7km、1052mD+
山行時間:5時間28分
消費カロリー:1,888kcal

S五番関10:2711:13今宿跡11:1611:54洞辻茶屋11:5612:05陀羅尼助茶屋12:0912:10松清店12:1412:28鐘掛岩12:4012:47西の覗岩12:5313:05山上ヶ岳13:2113:43投地蔵辻13:4513:55小笹ノ宿14:2514:51阿弥陀ヶ森14:5415:06伯母谷覗15:1415:27阿弥陀ヶ森15:2915:58小笹ノ宿


<2日目>
距離:7.75km、443mD+
山行時間:2時間42分
消費カロリー:837kcal

小笹ノ宿08:4208:52投地蔵辻09:12山上ヶ岳09:1809:26西の覗岩09:2809:37鐘掛岩09:3909:52松清店09:5309:56陀羅尼助茶屋10:04洞辻茶屋10:0510:36今宿跡10:3711:11五番関11:1311:21ゴール地点G



1日目:五番関~山上ヶ岳~小笹ノ宿~伯母谷覗

当初の予定では母公堂に車を停め、そこから歩いて五番関、山上ヶ岳と進む予定であった。というのも母公堂から五番関は冬季は積雪のため通行止めになっているからだ。

しかし実際に現地についてみると通行止めの看板はあるが、ゲートはなかった。どうやら積雪さえなければ母公堂から先に進めるようだ。五番関トンネルまで車で行くことが出来れば1時間近くの短縮になるので、進めるとこまで進んでみようということで行ってみたら案の定五番関トンネルまで行けたではないか。というわけでここに駐車することにした(広いスペースに路駐、大体10台程度は停められるだろうか?)。ちなみに母公堂に停めると駐車料金が800円ほどかかる(そもそも空いていなかったが)。

さて、そうこうして時間に余裕が出来たので(というか楽できたので)ルンルン気分で、テントなどの荷物を仕分けし登り始めたが早速ルートを間違えてなぜかトンネルの中を進んだ。途中で、いやおかしいだろと気づいて戻ってきたのでよかったが。。

この日の天気は非常によかったが翌日は雨予報なのでなんとも言えない気分だ。まぁ雨の中テント設営することにはならないだろうから不幸中の幸いだろうか。そんなこんなで10分少々登ると、女人結界門が現れた。

この先に進みたい女性は変装するといいかもしれない

女人結界門から先はしばらくゆるやかな林道

この女人結界門から先は女性の立ち入りが禁止されているので、男尊女卑を肯定する象徴として色々と物議があるようだが、今回の同行者は妻ではないので問題ない。

所々雪が残る

朽ち果てて、通行止めロープが張られている階段もあった

女人結界ゾーンはいかにも大峰といった雰囲気である意味安心する。アップダウンもそれほどなく、比較的穏やかに進んでいくが、時折崩れている斜面のトラバースなどが出てきたりして、これは一般道なのか??と思うところも所々あった。

こういった注意が必要な岩登りもある

特にこの時期は残雪があり、中途半端に雪で埋まった岩(鎖場)や木の階段がかなり嫌らしく、通過には注意が必要だ。

中途半端な雪がついた岩場がいやらしい

そんな核心部ともいえるべき場所をいくつか乗り越えると鐘掛岩が現れる。この岩、スルーすることも可能だがもちろん登った。ホールドはしっかりしているが、ほぼ垂直な岩に、オマケ程度の鎖がかかっているだけで、高さもそれなりにあり高度感は抜群だ。雨なら絶対に登りたくない。

鐘掛岩。反対側からなら比較的簡単に上に登れる。

他にも油こぼし(鎖はあるが滑りやすいだけで特に危険というほどではない)といった岩場や、西の覗(ロープ1本で崖に吊るされ叱られるらしい)といったテレビなどでも紹介されるスポットもある。

洞辻茶屋周辺

この季節だからなのか、このご時世だからなのか、少し寂しい

大峰、もとい山上ヶ岳の山頂はお花畑もあり(といいつつ笹原で100年に1度ぐらいしか花は咲かないが)広々としており、ピークには聖墳「湧出岩」が鎮座している。写真はなぜかない。撮ったはずだがまあいいだろう。

いい天気だなー

ここから先、この日の宿泊地(テント場)の小笹ノ宿まではほぼ下り基調。宿についてささっと(笹なだけに)テントを設営。今日も貸し切りだ。岩に囲まれていて風の影響を全く受けないのでなかなかのロケーションだ。

赤いのがお堂、奥の白いのが避難小屋

えだのテント、MSR エリクサー2、内側メッシュなので若干寒い

尚、小笹ノ宿の避難小屋は比較的小さく、トイレもないので注意されたし。水場は目の前にあります。

すぐ近くに十分な水量の水場あり

テント設営後は時間があったので予定通り東側にある女人結界門をくぐり、伯母谷覗までピストンした。ここは切り立った崖のになっており中々スリルがあった。

伯母が覗いたのか?

最高の天気と恐怖の崖

夜は適当に鍋を作り、だらだらビールを飲んだ。この日はゆるキャン△のつもりだったので、普段は持ってこないガスランタンなんか持ってきたりしてみた。雰囲気が出て、たまにはこういうのもいいもんだなと思った。

夜は寄せ鍋とビール

たまにはガスランタンもいい

2日目:小笹ノ宿~五番関

この日は雨だ。ああ、事前に天気予報で分かっていた。晴れたら大普賢岳をピストンしようと思っていたがもちろんしなかった。

大峰山寺と虚無な天気

虚無の下り

下山コースはレンゲ辻方面に降りようと思っていたが、そもそも駐車場所が変わったため同じルートを下ることになった。

濡れた岩場がいやらしい

コケコッコー共和国

というわけで雨の具合を見計らいテントを撤収して下山した。幸い本降りになることもなく駐車場に辿り着くことができた。雨の中の独特の雰囲気も良きかな。

春を告げるフキノトウ

以上、ここまで読んでいただきありがとうございました。

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