重い食糧、最高の天気、穴あきマット
9月19日に発生した地震の影響が分からないので予定していた前穂高北尾根はパス。さて、転戦先はどうしようということで挙がったのは剱岳南壁。日本の岩場下巻を見るとA1~A4までルートがあるがなんだそれはといった感じ。その中でA2ルートに登ろうということになったが、曰く2級ピッチグレードⅢで簡単そうではある。いわゆる剱岳の正面壁であり、初心者向きのクライミングルートのようだ。
A2は終了点が本峰頂上(最後は歩きだが)ということもあって、人気が高いが結構崩壊しているという情報もちらほら。果たして今回の山行はどうなるのだろうか。
山行概要
日程:2021年9月23~25日
山行形態:アルパインクライミングテント泊
メンバー:がんちゃん、みっちー、シンさん(食担)、フジモトさん、ノブくん(リーダー)、ケンさん
主な装備:生麺、生野菜、冷凍ロールキャベツ、モツ、ストレートスープ、50mロープx2、カムとか
<1日目:室堂~剣沢キャンプ場>
普通生麺持ってくる??? |
雷鳥坂 |
吊り下げスタイル |
<2日目:剣沢キャンプ場~剱岳南壁A2~剣沢キャンプ場>
6時23分出発。心なしか遅いがまぁそんなもんだろう。暗い中歩きたくないし連休の合間の平日ということもあり、本峰に登る人はそれほど多くない模様。まずは取り付きにアプローチできる平蔵のコルへと向かう。
南壁が見える |
平蔵のコルからA2の取り付きテラスまでトラバース。雪渓は無く、ガレていて足場は悪いが特に問題なく取り付くことが出来た。
雪渓は無くテラスへは用意に取り付けた |
早速準備を整える。今回はノブくん、フジモトさん、ケンさんの先行3人PTと、私、みっちー、シンさんの後続3人PTの2編成とした。クライミングシューズは誰も持ってきていない。私とみっちーでツルベで登り、シンさんはアッセンダーとし撮影に徹してもらった。
1ピッチ目:私がリード。凹角ルートだが、先行PTは若干右側、私たちは左寄りから離陸。結局先行PTの残置カムを回収のために右にトラバースする羽目になったが私は回収できず、シンさんに託す。40mほど登ったところのハイマツでピッチを切る。
1P凹角 |
ハイマツでピッチを切る |
2ピッチ目:みっちーリード。ハイマツからすぐ先のフェース?がこのルートの核心だろうか。と言ってもⅢほどなので、するすると登っていく(ケンさんは苦労していたが)。20mほど。
2ピッチ目 |
3ピッチ目:私リード。簡単なリッジでⅡぐらい。20mほど伸ばし先行PTの手前でピッチを切った。そういえばドローンが飛んでいた。映っただろうか?
残置ハーケンが多い |
4ピッチ目:みっちーリード、ここも簡単なリッジ。10mちょっと進んだ先のコルで先行PTがいるので待つために少し手前でピッチを切る。先行が登ったらコルまで移動。軽く休憩タイム。
5ピッチ目:私リード。脆いリッジⅢ。リッジの頭を取らなくても難なく進めるが気持ちよさそうなので頭伝いに進んで行く。若干脆い所が多いが特に問題なくランナーを取りながら進む。このピッチはリッジ上に進めば高度感もありかなり気持ちのいいピッチとなった。
登る必要のないリッジでルート取り、これもアルパインの魅力 |
リッジに乗るのが怖い場合は、簡単に巻くこともできそうだった。45mほど伸ばして切った。12時40分ごろ、ここでロープを解除。
リッジを踏み倒す |
山頂まで歩き源次郎尾根側から山頂へ。13時、山頂には先行PTがちゃっちゃと着いていたようで(我々がリッジ通しで遊んでいたからだ)、暇そうに待っていた。
最後の登り |
山頂に着くと、他の登山者さんがワーワーパチパチと出迎えてくれた。これをやりたかったのだ(ミーハー)。剱岳山頂でこれほど天気が良かったのは初めてかもしれない。イヤイヤ言っていたケンさんもなんだかんだ(引きずられながら)楽しそうに登っていた。
山頂の写真は基本適当 |
特にトラブルもなく最高の天気の中登れてよかった。ルートは全体的に残置ハーケンが多く、これでもかというほど連打されているとこもあるが古いものばかりなので過信は禁物。剥がれやすい岩も多いので要注意だ。景色は良く、一般ルートからも見え、声もよく届くのでミーハーにはもってこいである(笑)。
山頂。。どこ? |
後は憂鬱な前剣(通称マエケン)や一服剣などの登り返しを経て剣沢へと降り立った。晩御飯はモツ鍋だ。どんどん帰りの荷物が軽くなるな。ノブ君はいい具合に泥酔していた。
勝利の祝杯 |
<3日目:剣沢キャンプ場~別山北尾根~室堂>
通常であればそのまま剣御前小舎や一般ルートで別山に登り、雷鳥沢へ下るはずだが誰が言ったかバリエーションルートの別山北尾根から帰ることとなった。朝は鍋の残り汁に色々ぶち込んだラーメン。もはや料理とは言えないが意外とイケる。ラジオ体操を終え、私のサングラスが見当たらない事件も解決し北尾根へと向かった。
北尾根へ登る岩場 |
北尾根への登りは割と急登のハイマツ帯。なるほどこれはバリエーションといった感じで、登るのはいいが下るのはなかなか困難そうだ。踏み後は結構あるが少しルーファイの必要な岩場も多く、どうやらゲレンデのようで、クライミングルートに入らないように注意が必要だった。
実は北尾根から剱岳の眺望は最高で、八ツ峰や源次郎など全体を見渡すことが出来、Best of展望といった感じだった。最高やんここ。
北尾根からの眺望 |
そうこうして偽ピークをいくつか越えて別山北尾根から北峰、南峰と渡り、雷鳥沢へ下り(ケンさんが謎のハイペース)、最後のクソったれな室堂への登り返しを終えて今回の旅は終わった。
以上、ここまで読んでいただきありがとうございました。
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