恐怖のダイクトラバース
小川山の屋根岩は4つの峰で構成されており、レモンルートは3峰の南陵にある5ピッチ5.9(クラックを登らなかったら4ピッチ5.7)のルートだ。核心は3ピッチ目のワイドクラック5.9だが、前日の夜に左手人差し指をナイフで切ってしまい、絆創膏状態なのでクラックは登らないこととした(もともと登る予定はなかったが、登った方が楽しいだろう)。
最近YAMAPやってない |
懸垂があるためロープは50mダブル2本としたがこれは正解だった。逆にカムはハンドサイズがいくつかあった方が良かったが、#3までを1セットでも問題はなかった。
山行概要
メンバー:がんちゃん、たまさん
主な装備:50mダブルロープ×2、カム#0.5~#3×1
開始:7時8分
終了:13時18分
所要時間:6時間10分
屋根岩3峰南稜レモンルート
<アプローチ>
アプローチはキャンプ場から30分ほどであるが、間違って2峰に向かってしまう。ああでもないこうでもないと探して2峰のセレクション取りつきについたり、そのまま脇道を登ってしまった。行きたかった3峰が良く見えるじゃないか・・・。地図を見直しGPSの情報から明らかに間違っていることに気づく。なんとか修正して3峰のレモンルートに辿りついた。1時間ちょっとかかってしまった。先行1PT(3名)が登っていたので準備をして待つ。
迷って2峰に入り込んだ |
ここを右に右にと進んでしまったが、岩の右側の谷沿いを登るのが正解 |
<1ピッチ目:クラック、5.6>
1ピッチ目は25mほど。たまさんリード。中間部に1つ支点があり、他は右側のクラックにカムをセットして登って行く。ハンドサイズ前後のカムが2セットほどあるといいが、#0.5~#3の1セットでも足りた。
1P目 |
傾斜は比較的緩く、それほど難しいところはないがクラック側に入り込みすぎるとザックが邪魔になり身動きが取りづらかった。カムはそれなりに安定した態勢でキメることが出来るのでNPの練習にもよさそう。先行PTもいるので場所を分けてもらい立木で終了。もう少し右上に登ると2ピッチ目のトラバース手前に、小さいテラス状のビレイポイントもある。
1P終了点、少し狭い |
1Pビレイ点より2峰 |
<2ピッチ目:恐怖のトラバース、5.7>
がんちゃんリード。右上に登らないといけないが、少し左上の神奈川ルートに登ってしまいかなり苦戦した。レモンルートに何とか戻って5mのダイクトラバースへ。ホールドが小さくて心もとないうえに、先が見えない。前日に指を怪我して絆創膏を巻いていたので左手人差し指の第1関節が曲がらない。怪我していなかったら微妙な所にも指を掛けられるのだが・・・。
先が見えない恐怖のダイクトラバース |
というわけで、中間部まで進んだものの完全にビビッてしまい進めなくなった(支点もないので落ちたらめちゃくちゃ振られる恐怖)。なんとか頑張ってビレイポイントまで引き返し(これもかなり怖かった)、たまさんにリードを変わってもらうことに。トラバースを越えたら難しいところはなく、凹角を少し上がればビレイポイントとなる。
<3ピッチ目:レモンオリジナル、5.7>
がんちゃんリード。ここはワイドな弓状クラック5.9との分岐点。先行PTがクラックを登っているが、到底今のレベルとコンディションでは登れる気がしない。というわけで右側のレモンオリジナルルートを登ることに。
スラブがいくつかあるが支点は全くない。ただし立木は豊富にある。といいつつ私の指では心もとないのでスラブはほぼパスして、立木沿いに巻くように登って行った。終了点には残置スリングがいくつかあり、奥側の最終ピッチスタート地点には懸垂支点もあった。
終了点から見下ろす |
<4ピッチ目:3峰への登り、5.7>
たまさんリード。3峰へは左右のルートがあり左はⅣ+となっているが、出だしが支点の取れない2m今日の垂壁に近いスラブで、落ちたらアウト。そこから先は入り組んでいるが、3峰からの下降路となっており、時折ワイヤーが張られている。
右は5.7で見通しもよくこちらを登ることとした。立ち木ビレイポイントには残置スリングと懸垂支点(カラビナ)があるが、そもそも足場が斜めの岩上でビレイするのは結構大変だった。出だしに古いリングピンがあり、その先にもいくつか錆びたハーケンなどもあった。中間部の細い木があるところが核心だろうか。終盤の細かいカチを拾うスラブもなかなか面白い。
4P出だし |
眺望が良くダイナミックなルート |
登った先には小川山が見渡せる眺望が。たまさんとハイタッチして登攀終了。ザックを下ろし景色を眺めながらしばし休憩。おやおや、あ~れすさんがいないぞ?(体調不良で不参加)
4ピッチ目の終了点 |
3峰 |
終了点からは3峰の変な形の岩(ワイヤーが張られている)をまたぎ下山していく。最後の最後に4P左ルートの出だし部分のクライムダウンがあるので、そこだけ懸垂をして4P取りつきへ帰還。
変な形の岩 |
3峰からの下降路、ワイヤーあり |
4P右ルートの取り付きで50m2本をつないで浅めの凹角を懸垂すれば、ほぼ50mいっぱいで1P目取り付きから少し上がった岩小屋のような涼しい場所に降りてくることができた。50mロープ1本の場合は、中間部でもう一つ立ち木懸垂支点が作られているのでそれを利用すればよい。あとはどんどこ降って行けば一般道へと合流する。
懸垂ポイント |
<所感>
ガマルートとレモンルート、個人的には景色なども含めてレモンルートの方が好きだと感じたが、ガマルートのスラブ満載感も普段は味わえないのであれはあれで楽しかった。花崗岩の独特なダイク(岩が飛び出て帯状になっているもの)も所々あり見ていて飽きなかった。
岩質は全体的に少し脆い箇所や浮石もあり、慎重に登る必要があると感じアルパイン要素も多いなと思った。
指をろくに使えない状態だったので、ほぼフォローに回ったのが残念だった。4ピッチと数は少ないので割とサクっと終わると思っていたが、一つ一つの距離はそれなりにあり、先行PTは1PTだけだったにもかかわらず想定より時間がかかった。また、アプローチは完全にたまさん任せにしていたので、2峰に迷い込んだりした点も反省点である。
靴。。。落ちない? |
今回の小川山遠征、関西では味わえない岩場の空気感(キャンプ場がありアプローチが楽々、ボルダーもたくさん、フリーもたくさん、そしてス涼しくて快適)を楽しむことができた。大阪からのアプローチは大変だが。。。
以上、ここまで読んでいただきありがとうございました。
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