[アルパイン]伊吹山バリエーション 川戸谷~阿弥陀ヶ崩れ~弥高尾根 2022/5/28

2022/05/29

2022年 アルパイン クライミング 伊吹山地 山行記録 登山 日帰り山行 無雪期

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伊吹山の川戸谷の真実を解明せよ

冬にはちょくちょく訪れる伊吹山。それ以外の季節はダラダラとした道が嫌いで近寄りたくない。そんな伊吹山にバリエーションルートがあるようだ。ほどほどの岩場もありアルパインの練習になりそうという事で様子を見に行くことにした。


この谷は伊吹山の南面に位置しており、祖父谷(川戸谷林道)を遡行していった源流の谷である。この谷は枯れており水の流れはほぼないが、5月上旬であればまだ雪が残っているらしい。伊吹山で唯一と思われるアルパインルートで、私にとっては積雪期以外に楽しめる唯一の要素とも言えるかもしれない。


某大垣山岳協会さんによると50年以上も前から地獄谷と呼んでいるらしい。しかし、私が確認した史跡マップ米原市遺跡リーフレットでは地獄谷は山頂の北北東、板名古川上流の渓谷となっており、お目当ての谷は川戸谷となっている。なので地獄谷という名称は間違っているのではないかと思うが、まぁなんでもいいか。


史跡マップ

祖父谷から、川戸谷、そして阿弥陀ヶ崩れへ

概要

日時:2022年5月28日
メンバー:がんちゃん、福本
山行時間:8時間57分
開始:8時31分
終了:17時28分

アプローチと祖父谷

上平寺(標高320m)に駐車し、まずは祖父谷の林道(川戸谷林道)を進む。30分ほど歩くと林道が崩落した地点で一度川辺に降り右岸へ。そこからちょいと進めば橋があるので左岸へ戻る事が出来る。


新緑が気持ちいい・・・?


林道を進む


さらに歩き倒し、いくつかの堰堤を越え1時間ほどしたところで谷に降りると倒木祭りだ。ひたすら水流のある倒木帯をかき分けて進んで行くがこれが非常にだるい。今世紀最大の倒木祭りかもしれない。


何の変哲もない堰堤

倒木祭り

祖父谷詳細

標高590m付近で二股となるが、ここは右に進路を取りさらに進んでいく。


標高590付近の分岐


標高710m付近で二股。この左が川戸谷となるのだろうか。水流は無くなりなぜか雪渓が現れる。10日ほど前にまだ雪が残っているという記録があった。流石にこの暑さでもうないだろうと思っていたのだが。


川戸谷詳細

現れた雪渓にワチャワチャしていて、GPSルートを入れてきたはずなのにうっかり右又に進路を取ってしまった。標高850mあたりで、あれれおかしいな、そろそろ登攀出来そうな岩場が出てくるはずなのにと思い地図を見たら間違えてるではないか。




尾根を越えるのは微妙そうだし、そもそもお目当ての岩場の上部に降りてしまう可能性が高いので、滑る雪渓を萎え萎えな気持ちで下降し二又まで戻る事とした。


ちなみに雪渓はかなり大きかった。冬場は雪崩の前左右共に雪崩の巣窟だろう。コブヤハズカミキリというちょっとレアそうなカミキリムシがいた。どうやら飛べないらしい。


コブヤハズカミキリ


さて、二又から左に進路を取るがこちらも雪渓が残っており泥まみれになりながらズルズルと登っていく。標高780m付近ではぽっかりと下穴の開いた巨大な雪渓が。いつまで続くのだろうか。


かなり巨大で危険


5月の伊吹山・・・?


標高850mあたりから岩々してくる。というかここまでは雪渓で埋まっていただけだろうか。標高1000m付近でお目当ての岩場が。10m程度の凹状の岩場で、ロープで確保したのはここのみ。


凸状10m


セルフはマイクロカムとナッツでとりあえずの2点取り。出だしに1本残置ハーケン、中間部にも1本あったが打ち込まれ過ぎて使用できなさそう。というか金属棒も打ち込まれていたが折れ曲がっていたので、掴むにも足の置き場にもならないのでただの邪魔者である。


お気持ち程度のセルフ




私がリードしたが、登山靴だと結構つらい。1ピン目の残置はありがたく活用させてもらう。その先はマイクロカム、ハーケン、アングルを使い何とか突破。かなり際どくクライミングシューズを持って来ておけばよかったと思った。ちょろちょろスタンスを取らずに、ステミングで思い切りいった方が良さそう。


終了点を取る良さそうな岩も立ち木も無いので、こちらもハーケンで。疲れのあまりか、なぜか軟鉄ハーケンを打ち込んでしまった。何とかコジコジして回収したが冷静になろうな。


終了点


そこを越えるとザレザレガレガレが続く。時折落石音も聞こえるので要注意。


福本リードしたところ



阿弥陀ヶ崩れ

旧伊吹山測候所の東面の断壁を阿弥陀ヶ崩れと呼ぶ。ここは以前、大岩が張り出しており三尊仏が祀られていたという。さらにその下約150mには観音勢至両岩が突き出しており、修行の場であったとのこと。


そんな崩れさんは、ザレザレガレガレでとにかく劣悪だ。脹脛を酷使しながら1歩進んでは2歩下がりを繰り返し滑りながら進んだ。


ザレ場の先に最後の岩場

崩れ地形、もとい山頂直下の岸壁は基本的には中央突破。慣れている人であればフリーで越えられるが、かなり岩が脆く薄被りの箇所も時折あった。そんな感じなので完全に日和った福本のために数カ所お助け紐を出した。


すぐ下から見ると登れそうである


不安な人はおとなしく尾根に上がって巻く方が良いが、尾根に上がるのも結構大変かもしれない。


尾根から見下ろす阿弥陀ヶ崩れ上部


そうこうして最後は仕上げのザレ場からのちょっとした草付きで、伊吹山のネットが見えて山頂へと辿り着いた。その後は適当に休憩して弥高尾根で下山した。何だかんだ時間がかかってしまった。天気は良かったのでヨシ。谷は雪渓があったこともあってほどほどに涼しく快適であった。


山頂は目前

アプローチがダルい割に美味しい所は少なく、倒木やザレ場も多いのでもう行くことは無いと思う。


以上、ここまで読んでいただきありがとうございました。

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