岩の墓場・日本三大クラシックルート(当社比)をゆく。
前置き書くの面倒臭くなってないか・・・?と思いながら記録しているので内容はかなり雑になっているかもしれないが、思い出せる限り詳細に記したいと思う。
ムラっちが滝谷遡行して4尾根行きたいというので二つ返事でOKした。やっぱり滝谷登るなら出合からだよな!!という事らしい。
9月中旬となったのはそもそも連休が欲しかったのと、今年の気候であれば雪渓が完全に消失してアプローチや装備が圧倒的に快適になるというのを見越してだ。実際にこれは正解だった。
そもそも滝谷といえばドーム中央稜ぐらいしか知らず、具体的にはよく分かっていなかったが、岩の墓場とか鳥が通い妻してるとかそういうアレしかしらない。いや、通い妻ではないか?
山行概要
日程:2023年9月16日~17日
天気:おおむね晴れ(初日夕方から夜に駆けて断続的に雨が降った)
山行形態:アルパインクライミング
ルート:新穂高~滝谷出合~雄滝~滑滝~スノーコル~滝谷第4尾根~稜線~涸沢岳~白出沢~新穂高
メンバー:がんちゃん、ムラっち
装備
主な共同装備:50mハーフx2、カム(0.5~1、0.1~2)、ボールナッツx1セット、ハーケンx3、ハーケン用ハンマーx1、ナッツキーx1、小アングルx1、60cmアルヌンx8本、その他スリングいくつか。
主な個人装備:登攀装備、コーラ700ml2本、折れない心。日焼け止めは持って行ったが使わなかった。。。
全装での登攀となるのである程度の軽量化を意識して、テントはヘリテイジのクロスオーバードーム2G(630g)。
GoProバッテリーを少なくしたり、ハーケン用ハンマーは一つにするなどした。尚、カム0.4を1個持ってくるのを忘れ意図せぬ軽量化となった。
ここまでしておいて、私は必須ではない枕やコジー(アルファ米とか入れて保温するやつ)を持ってくるという暴挙に出たが誰も責めはすまい。しかもザックは新調した35リットルのBC用ザックで1.5㎏近くと重い。背負い心地は良かったが・・・。
上着はレインウェアの上とした。結局朝方しか着なかったが。行動中はインナーシャツ長袖に、薄手のフリース(と言ってもかなり薄く通気性が良いのでフリース感は無い、ミレーのロッカフーディー)で調整。レインウェア下は持って行かなかった。
ズボンが結構汚れたり濡れる可能性があったので、寝巻用に薄いタイツ(モンベルジオラインLW、ビリビリに穴が空いている)を持って来た。これは我慢すれば不要な装備ではある。2日目はタイツを履いたままだったが、下山時は暑かった
ちなみに靴は沢靴ではなくアプローチシューズにした。これで良かった。ムラっちにも沢靴は辞めておけ!!と言っておいた。
山行詳細
<1日目:新穂高~滝谷出合~雄滝~滑滝~C沢右俣~スノーコル>
正確には新穂高ではなく鍋平だが(駐車場が埋まっていたので)どちらでもよいだろう。とりあえず歩く。4時24分スタート。
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最近よく来る新穂高 |
7時12分。滝谷出合。
ここからは沢を詰めていくが雄滝(20mぐらい)までは濡れるような箇所も無く快適だ。出合には沢の増水具合をネットで確認できるようにと設置された
ライブカメラ(スマホ)がある。興味がある方はピースとかしてみるといいと思う。
尚、一般道はここを右岸側に渡っていくのだが、我々は沢を登って行くので、一般登山者が着いてこないように注意されたし。実際についてこられたのであっちですよーとお伝えさせて頂いた。
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滝谷出合とライブカメラ |
・雄滝の巻き(5ピッチ)
登攀出来そうなラインも見える。左岸、右岸両側とも登れそうではあるが今回は濡れたくもないし、滝登攀の装備もない。大人しく右岸側から巻く。クライミングシューズは出さず。
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雄滝、左端に見切れている箇所から高巻していく。 |
この日は奇数ピッチをムラっち、偶数ピッチをがんちゃんがリードする事に。
8時7分登攀開始。
1ピッチ目:ムラっちリード。特に難しいことは無いが慎重に。50mぐらい。
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1ピッチ目出だし |
2ピッチ目:がんちゃんリード。ブッシュを直上50mぐらい。簡単。
3ピッチ目:ムラっちリード。9時3分開始。ちょっと歩いて尾根の突き当りからビレイ。右にトラバース50m。簡単だけどめっちゃランナウト。草が濡れていて少し滑るのが嫌らしい。
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3ピッチ目のトラバース |
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3ピッチ目終了点側から
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4ピッチ目:がんちゃんリード。どうやら崩落個所があるらしくそこをトラバース出来ないので、崩落個所あたりから直上。ボロボロ崩れる。信用ならない草や細枝が好きなのでそいつらを頼る。足元が崩れて草を握り耐える。耐えがたきを耐えた。40mぐらいで切る。滝の落ち口よりも大分高い所まで登ってきたようだ。崩落個所をトラバース出来ればいい感じの高さで落ち口に出られたのだろうか。
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4ピッチ目終了点より下を覗く |
5ピッチ目:ムラっちリード。10時2分開始。出だしが激悪。どのピッチもそうだが岩が脆く土が乗っていたりして気を遣う。そこから左にトラバースもちょいと悪い。トラバース出来たら後はブッシュに逃げ込んでロープを伸ばした。
10時35分、登攀開始から2時間28分。50mほど伸ばして高巻き完了。ここから滝方面に向かえば沢に降りる踏み跡トラバースがあった。
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5ピッチ目終了点より少し上がると開けて、沢筋への下降路が見えてくる |
ここからはしばらく小滝などが出てくるが基本は歩き。沢登りや滝登攀をそこそこやっていれば簡単でロープを出すようなところは滑滝まで無い。
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小さな滝が幾つか現れるが簡単 |
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足元はそれほど悪くない |
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順調に進めていく |
11時26分、滑滝に到着。
・滑滝の登攀(2ピッチ)
滑滝は左岸側を登る。水量は少ないようだ。ここもアプローチシューズオンリーで登った。下部は階段なので中段のテラスまでは歩いて、残置ハーケンがあるのでそこでビレイオン。滝谷出合らへんでヘリがホバリングしているようだった。
11時33分、登攀開始。
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滑滝左岸側の取り付きは残置ハーケンあり |
1ピッチ目:ムラっち。50m。出だしが被っていてちょいと悪い。岩は安定している。その先はスラブでクライミングシューズの方が良さそう。
途中でハーケン使用。私は手ごろな石をポケットに詰め、ナッツキーで叩いてハーケンを回収した。ハーケンが無かったら鬼ランナウトしていた模様。
ちなみにビレイ中に便意を催したがなんとか耐えた。結構時間かかってたねんなー。最後は右岸側にトラバースしてピッチを切る。12時15分セカンド終了。
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1ピッチ目終了点より見下ろす |
2ピッチ目:がんちゃんリード。上部の落ち口に5mほどちょっと上がってみたら簡単。一旦解除してフリーで上がってもらう。そこから落ち口右岸側をリード。滝壺がエメラルドブルーで綺麗。
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綺麗な滝壺、右岸側を登る |
ランナーは取りづらく、ボールナッツやハーケン使用。抜けた後はハーケンは不要だろうとタカをくくり、ハンマーは支点に残置した。外径気味なとこもありちょいと難しかった。上の方は割と階段で大人になる。あとは残置ハーケンなども頼りつつ抜けて20m程。
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2ピッチ目 |
終了点は気持ちよく取れず適当な岩にスリングを掛けた。めっちゃロープドラッグしたのでプーリー付きカラビナを活用。ええ感じに活用できてよがっだよがっだ。
12時52分、滑滝の登攀開始から1時間19分で登攀終了。
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2ピッチ目終了点より |
ここから先はスノーコルまでお気軽に歩いて行くが、適当なところで伏流するのでその前に水補給。という事で終了点にて水を補給。
2日目に残しているコーラ700mlに加え私は3.6Lの水を確保。ムラっちも4Lほど確保。これだけあれば十分だ。13時24分、スノーコルに向けて出発。
14時過ぎに雨が少しパラパラと。本降りにならないことを祈り先を急ぐ。遭難者の物と思われる残置物が結構落ちていた。
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淡々と登る |
オセロ岩?なるものをひっくり返さないように気を付けて越え(ひっくり返るはずはないのだが)、C沢の右俣に入る。あまり上部に行きすぎるとスノーコルへのトラバースが鬼スラブとなってしまうので気を付けたし。いい感じの草付きがあればそこで踏み跡を探して、ハイマツを直上するのが良い。踏み跡は色々とある。
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目印の一つ、オセロ岩 |
後はスノーコルまでお気楽に歩いて行く。15時20分、予定通り11時間でスノーコルに到着。
スノーコルは思っていたより広かったが、やはり頑張っても2テン2つがギリギリだろうか。脇に見えている雉打ち後の白い紙は持ち帰れと思った。
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視界不良時は間違った沢筋に入らないように注意が必要 |
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スノーコルへのトラバース道を上側から |
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もうすぐスノーコル |
夕食は軽量化のためアルファ米的なサムシングと適当なスープ。ムラっちはカフェを何度も飲んでいて、どんだけ水消費するねんと思った。
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スノーコルは狭い |
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今回は尾西ではなくサタケ |
結局夜も雨が断続的に降り、若干心配になるが夜中には収まったようだ。1度トイレで目を覚ました。時折落石の音や、近くを動物が徘徊する音が聞こえたが、最強に疲れていたので(睡眠不足のため)割とよく眠れた。
しかし、背中の石が気に食わなかったり結露がテント内に溜まって冷たかったりして、まぁ軽量テントにしては快適な広さではあったが、やはりダブルウォールの快適さにはかなわないのであった(当然である)。多分19時頃には就寝した。
<2日目:スノーコル~第4尾根~縦走路~涸沢岳~穂高岳山荘~白出沢~新穂高>
4時起床、朝食をさっと済ませ時間があったので30分ほど二度寝。6時出発で準備をする。5時過ぎにはもう明るくなっていた。風は少しあるが快晴。登攀前に軽量化しておきたいと意気込み何とか体を軽くしておいた。
ビバーク地の目の前からロープを出したが、ブッシュ帯100mほどは、ある程度歩いて進んでもよさそうであった。この日は奇数ピッチをがんちゃん、偶数ピッチをムラっちがリードする事に。
基本的に普段は1ピッチ目をあまりリードをしたくない。何となく体が温まって無いからであるが、ムラっちにいいくるめられスターティンする事に。しゃあなしやで。(おかげでナーバスなピッチはすべて私がリードとなってしまう)
6時3分行動開始。
1ピッチ目:がんちゃんリード、ブッシュ50m、ロープを出す程でもない。
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1ピッチ目終了点からスノーコルを望む。ここまではロープなしでも大丈夫だろう
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2ピッチ目:ムラっちリード、出だしのフェースが核心、岩が悪く見た目以上に気を遣う。トポでいう1ピッチ目だろうか。20mほど。
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2ピッチ目、核心のフェース下 |
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ドーム中央稜にちらほらと人が見える |
3ピッチ目:がんちゃんリード、6時57分、登攀開始とともに凄い岩雪崩の轟音が聞こえた。C沢左俣に岩雪崩を目視。尋常じゃない光景であった。びっくりしたが自分の登攀に集中する。
途中、大きな浮いてるフレーク状を登る。刺激しないように慎重に。ロープドラッグがひどくロープがグルグルにねじれる。ピナクルでピッチを切る。40m。
7時34分、休憩。きび団子(お菓子)とかを食べる。
4ピッチ目:7時42分、ムラっちリード、Aカンテ。45m。ロープ的に水平リッジの手前でピッチを切った。岩が安定していて快適なクライミング。唯一楽しいピッチの一つ。
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Aカンテ、水平リッジの手前で切る
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5ピッチ目:がんちゃんリード、カンテ~水平リッジ。40m。カンテが安定していて楽しい。唯一楽しいピッチの最後(笑)。水平リッジはただの歩き。
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5ピッチ目、Bカンテから(確か)
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水平リッジ
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水平リッジ先
の終了点にて
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6ピッチ目:ムラっちリード。50m、急なカンテからほぼルンゼの出口まで。ルンゼはガレガレ。
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6ピッチ目の急なカンテ |
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急なカンテ中間部 |
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ルンゼもほぼ登ってしまう。ピナクル手前まで。 |
7ピッチ目:がんちゃんリード、ピナクル脇からツルムの側壁。9時9分スタート。ピナクルの先は階段状で簡単。50m。ボールナッツなどで終了点を構築。
9時半ごろ、ヘリが飛んでいる。しばらく遠目でホバリング。何度かC沢あたりを行ったり来たりしていた。後で知ったが4尾根にC沢下降アプローチをしていたパーティで死亡事故があったようだ。ヘリの音でコールは聞き取りにくい。
8ピッチ目:ムラっちリード。少し悪い、10mほどでツルムの頭へ着き、懸垂支点でピッチを切る。
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8ピッチ目 |
この懸垂支点は昨年あたりにハーケン2つで構築された比較的新しいものだった。上を見ると古い懸垂支点が宙に浮かんでいたが、その下は崩れていて到底使えそうにない。
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鳥が通う宙の懸垂支点 |
捨て縄は綺麗だったがビナが無かったので残置ビナを足しておいたが、使うパーティーは年間どれぐらいだろうか。。。50m2本でひとまずツルムのコルへ懸垂下降。40mほど。
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ありがたい懸垂支点 |
10時39分、ここで休憩。そういえばコーラを飲み忘れてたなと思い、残り700mlを大事に飲み進めるが、ムラっちが1口といいながら2口ぐらい飲んだ。彼は遠慮を知らないのだ。
9ピッチ目:がんちゃんリード。10時49分。出だしからフェイスに浮いた大岩フレークばかりで嫌。3m程上がると大きいフレークが浮いていて本当に嫌なピッチだ。ナーバスな登攀を強いられる。そろりそろり慎重に登る。解決ソロリ。
足がないので浅打ちハーケンにタイオフされた残置スリングを頼る。スリングをつけ足してA0、A1で突破するが、ハーケンが軋んでいるのが見えて非常に怖かった。カムで取った支点も岩がカタカタするので、絶対に落ちたくない。
A1で乗り込んだ先の手は土や砂利が乗っているし、浮石ばかり。ふざけるなよと思いながらバランシーなムーブを繰りだし何とか突破。MPが半分ぐらい削られた。
その先にさらに核心のフィンガ~ハンドサイズぐらいのクラック。こいつら、カムを突っ込んでテスティングすると軋みやがる。ふざけているとしか思えないが、カムを連打する。20mほど伸ばしたところでピッチを切る。今回の登攀の一番嫌なピッチだった。
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振り返ると槍ヶ岳が見えた。 |
10ピッチ目:ムラっちリード。ここで終わりかと思ったが終わらなかった。バンドを右に進みトラバース気味に。何かワチャワチャしている。あまりよく聞こえないがロワーダウンを求められたので指示に従う。
色々あって時間を食っているようだ。スラブを登って登攀終了!!といきたかったはずだが、ロープの流れ的にスラブの前でピッチが切られていた。30mほど。
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適当に縦走路にあがる道が見えてきた
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11ピッチ目:がんちゃんリード。ボロいスラブ。気合いで行く。支点を取れず多分20mぐらいはランナウトした。何とかルンゼ状に入り込み、やっと1ピン目を取れて安堵。そんな私を横目に下の方でヘリがホバリングしていた。
12時25分、ガスが上がって来た。40mほどで私もトップアウトしピナクルで終了の終了点を切りエンドゲームでおしまい。ミッションコンプリート。12時36分、登攀開始から6時間33分、合計11ピッチ。フォローのムラっちもトップアウト。
ガスってて明瞭な道は遠望出来ないが、踏み跡はあるのでリッジ沿いに200mほど上がり縦走路へ。12時48分、縦走路に出た。ギア整理と休憩。
13時10分、涸沢岳に向けて歩き始める。何の思い入れもない涸沢岳で記念撮影をし、穂高岳山荘へ。はいチーズ。パシャリ。
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特に何の思い入れもない涸沢岳(笑) |
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流石の連休で人も多い |
ダラダラ休憩し、ムラっちのカップヌードルを奪う。美味い。染みる。
14時37分、穂高岳山荘を出発し、白出沢を下降する。道は明瞭でペンキマークも多かった。
18時34分、新穂高到着。鍋平までは行きたくないのでムラっちに車を取りに行ってもらう。感謝。
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白出沢
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白出沢その2 |
<完走した感想>
スノーコルまでは雄滝の巻きが一部悪く辛い。とにかく辛い。それ以外はまぁまぁ快適でした。雪渓が残っていると印象は大きく異なるかもしれません。
全体的に楽しかったのは楽しかったですが、。充実した山行になりましたが、4尾根の登攀は…もう二度としたくないなと思いました。岩が安定しているカンテ2ピッチ以外は、ロシアンルーレット登攀で非常にナーバスになりました。3回登れば1回ぐらいは事故りそうです。多分運ゲーです。
今回は40m懸垂のためにロープ2本持って行きましたが、登攀は諸々考慮して1本使用でした。鋭い岩角も多いですが、落石誘発もあるため、どうするかは色々考える必要がありそうです。
また、今回は滝谷出合からのアプローチでしたが、事故が起こっていたというのもあり、松濤岩からC沢左俣下降でのアプローチはオススメ出来なさそうです。雪渓が残っているGWぐらいまでの季節であれば快適に下降アプローチ出来そうですが。
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