[マルチピッチ]大台ケ原 蒸篭嵓 ブッシュマン 6ピッチ 5.10c 2023/10/21

2023/10/22

2023年 アルパイン クライミング マルチピッチクライミング 山行記録 大台ケ原 登山 無雪期

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紅葉と夕陽の衛兵:大台ケ原でマルチピッチ入門

始めに言っておこう。(リーチがあれば)5.10cを登れなくても大丈夫だ。(リーチがなくても)
A0すればなんとかなるよ。で、リーチってどんぐらいあればええねん?と思ったそこのあなた。多分身長170㎝後半です。しらんけど。

大台ケ原の東大台、大蛇嵓(だいじゃぐら)から北側に望める蒸篭嵓(せいろぐら)。大台ケ原は2億年ほど前に隆起して出来たらしいが、そんな岩場に登攀距離140m、6ピッチ、核心ピッチのグレードは5.10c、それ以外は5.9のブッシュマンがいた。おるんや。


大蛇嵓から見た蒸篭嵓

本ルートは2007年10月に開拓されたもので、名前の通りブッシュが茂っているようだ。夏場は劇的に暑いはずなので紅葉が楽しめる秋がオススメだろうか。大台ケ原(日出ヶ岳)は標高1695mとそれほど高くないが、11月も下旬になると降雪する事もあるので、そのあたりは注意されたし。

ルートの細かい事は開拓された方のサイト(夕陽の衛兵)があるのでそちらも事前に見ておくと楽しめるかと思われる。

山行概要

日程:2023年10月21日

天気:晴れ

山行形態:マルチピッチクライミング

メンバー:がんちゃん、むらっち、アカコンさん


ギア
50mハーフロープx2、ヌンチャクx11、アルヌン120cmx1、その他各種スリング

ざっくざく

駐車場とトイレと携帯の電波

駐車は大台ケ原駐車場(大台ヶ原ビジターセンター)へ。台数は200台と十分あり(といっても登山道があり、ハイキング客なども多数いるのでハイシーズンは注意)、トイレや売店、携帯の電波もあります。時折周辺で熊が出るのでそのあたりは注意が必要です。

今回は7時半ごろに着きましたが、おおよそ7~8割は埋まっていました。紅葉シーズンだからでしょうか。風が強く寒かったです。

山行詳細

西大台に入山するための事前レクチャーを8時半に受講。もろもろの準備を済ませ、9時過ぎにスタート。

あれ?東大台に入るはずなのになぜ西大台の利用申請を?
実は翌日に西大台、もとい中ノ滝を登攀する予定だったからだ。それはさておき今日は岩登り。濡れないってのは快適でいいもんだ。寒くないとは言ってない。

アプローチ

ブッシュマンのルートが引かれている蒸篭嵓へは、駐車場があるビジターセンター横から尾鷲辻を経て大蛇嵓の分岐をシオカラ谷側へすぐのところから踏み跡を沢へ下る。

沢に下る際は一般登山道から外れ柵外に出るため、出るタイミングでは一般登山者の目につかないように注意されたし(登攀中は大蛇嵓から丸見えではあるが)。

駐車場から取り付まではゆっくり歩いても1時間はかからないが、ガレ場なので気を付けたい。右手に目印の洞窟(穴)が見えてきたら取り付きはすぐそこだ。

洞窟

中から

洞窟から少し下ると分かりやすい目印が木にかけてある取り付きとなる。ちなみにこの洞窟は、昔トロッコのトンネルを掘っていた名残で13mほどあるとか。素数。

取り付き目印

取り付き

登攀詳細


1P目:むらっち、5.9、25m、B7。
感想は特に無いらしい。基本ステミングで簡単だが、最後の1手が少し悪い感じ。

1P目

1P目見下ろす

2P目:むらっち、5.9、20m、B4
あまり記憶にない。

3P目:アカコンさん、5.9、25m、B7
全然クライミングをしてないらしいが折角なのでとそそのかしリードしてもらう。(フォローで安定して登っていたし)
ホンマにありがとうございますって感じのという感想らしい。ここもステミングを使う感じで、後半部は凹角な感じでした。

たぶん3P目の凹角

4P目 :アカコンさん、5.9、25m、B5
出だしが悪そうでちょっとビビったらしいが意外とそうでもなくサクサク登る。ただ、高度感が出てくる。このあたりから大蛇嵓もよく見えてきた。紅葉が綺麗でヤッホーと叫んでる人にヤッホーをしておいた。

多分4P目

3~4P目あたりは大蛇嵓が良く見える

5P目:がんちゃん、5.10c、25m、B9。本ルートの核心ピッチ。
ついに来ました核心ピッチ。身長172㎝、リーチは多分普通しらんけど。

5P目下から

2ピン目を掛けていざハングしてる核心に。手も足も選ばないと悪そう。ちょっと乗ってみたら手が結構限られている感じ。

オブザベ中

足は、、、ある程度上げないと厳しいか。オブザベしてたら手がちょっとしんどくなってきたので一段下がって一旦レスト。集中。

核心のハング越えを真下から

さてとと気合いを入れて上がってみるも中々つらい。手が届かない。耐える。足の場所も悪い。左足もイマイチ。キツイ。手が耐えきれずフォール。パンプ。

取りあえずレスト。足が微妙、、もうちょい右かな。。。

2トライ目。何となくわかってきたが手が遠い。勢いでいきたい。気合いでいくもやはり足の高さが低いのか届かずフォール。ガッツンで頭から真っ逆さま。

3トライ目。もう腕が無い。色々やってみるも苦しい。無念のA0で抜ける。A0でも結構大変。A0グレード5.9なのも納得。なんかお助け紐かかってたけど。

ハングを抜けたらあとは楽ちんか・・と思ったら割とちゃんとしたスラブ。なぜかピン間隔も遠くなり繊細な登りを強いられる。

5Pを見下ろす

このピッチが一番クライミングらしく楽しめた。フォールしたけど。


6P目:がんちゃん、5.9、20m、B6。
しっかり登る感じ。フェイスというかスラブな感じで、ここまでのピッチより若干ボルトの間隔が遠い気がする。左側のクラック的なのとかを足で使っていくのが弱点。ボルト沿いだけで行くとちょっと大変。そんなこんなで抜けて立木で終了。このピッチはこれぞフリークライミングという感じで楽しめました。

6P目出だし

登攀を終えてのルート全体に対する感想だが、ボルト間隔は短めでしっかりと整備されていおり安心して登れた。終了点も工業用アンカー、チェーン、シャックルで構成されしっかりしており、敗退も容易に出来そうであった(終了点用のスリングは不要)。

終了点はすべてこんな感じ(テンションは一つにしかからないけど)

そういう点も考慮してグレーディングはかなり甘目な設定のようにも思えたけど、やっぱり5.10cって感じで身長が170㎝後半あってリーチがあれば5.10aぐらいな気がします。フォールして、最終的にA0でしか抜けられなかったのはやっぱり悔しい。

核心ピッチ以外も5.9とグレーディングされているが、体感は概ね5.6~5.8といった感じで甘めにつけて5.9でしょうか。ボルト感覚が短くしっかりしているので恐怖感は無かったかなぁ。

つまり外岩スポートルートで5.10aをなんとかRP出来る私程度のレベルでも安全に楽しめるかなと思いました。

トップアウトしてほんの少し上がったところ

デプローチ
トップアウト地点から笹原を踏み跡にたどり抜ければ簡単に一般道に合流できます。下山も1時間もかかりません。記念に大蛇嵓や日出ヶ岳に登ってみるのもいいでしょう。

デプローチは踏み跡明瞭

一般道に合流

紅葉が綺麗でした。爆風だったけど
素敵

なんのポーズよ

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