[マルチピッチ]雪彦山・不行岳北壁 温故知新 5.10b 2023/11/5

2023/11/05

2023年 クライミング マルチピッチクライミング 山行記録 雪彦山 登山 無雪期

t f B! P L

故きを温ね、新しきを知る

developing new ideas based on study of the past
訳:英語なんもわからん。

温故知新。過去に起こった出来事をよく調べて学び、そこから新たな知識を得る。

クライミングのそういうのはよくわからないですが、何事も新しい事に取り組んだり学んだりしたいものですね。技術や知識だけでなく、ギア、装備とかそういったものも。

といいつつ、なんだかんだ自分の山行もこうやって記録して振り返ったりしているので、出来ているのかもしれません。

自分で知って、考えて、試してみたうえで取捨選択するのがやっぱりいいなぁと思うのでした。

それはさておき、今回は関西のメジャーなマルチピッチルートである兵庫県の雪彦山(不行岳・ゆかずだけ)の温故知新5.10b、6ピッチを登ってきました。1~2年前はまさか自分が登る事になるとは思ってもみなかったでしょう。最近はジムで習慣的に登っていることもあり、10台前半のマルチピッチならやってみようと思えるマインドになってきていて、調子も良さそうと感じていたこともあり挑戦しました。

色々な都合で日帰りでしか登りに行けないのである程度近場で、、、と思い浮かんだのがこのルートで、この二人なら暇だろう(笑)、フリー好きだし。という事で加藤と二村に声を掛けたらOKしてくれた。いざ参る。

山行概要

日程:2023年11月5日

天気:晴れと紅葉、暑いぐらい

山行形態:マルチピッチクライミング

メンバー:がんちゃん、加藤、二村


ギア
60mハーフロープx2、ヌンチャクx15、60アルヌン2本ぐらい、その他各種スリング、

駐車場とトイレと携帯の電波

雪彦山駐車場(20台ほど、500円)もしくは賀野神社(10台ほど)停めることが出来ます。

雪彦山駐車場は紅葉の時期などは埋まりがちなのでクライマーは賀野神社に停めた方が良いかもしれません。今回は1台も停まっていませんでした。

神社の駐車場

アプローチの展望台のカーブにも駐車可能なスペースはありますが、ダンプカーが曲がれなくなるようなのでこちらには停めない方が良いでしょう。

神社のトイレ

トイレはどちらの駐車場にもありますが、神社のトイレはペーパーが切れていたので持参した方がいいでしょう。タンクの手洗い水も切れていました。


携帯の電波はガンガンにありました(ドコモ)。

山行詳細

アプローチ

7時42分スタート。
賀野神社から車道を10分ほど登ると展望台です。ここから入山。雪彦山駐車場から行く場合は展望台まで登山道を30分ほど歩く必要があります。

展望台の看板横から入山

展望台からは踏み跡を辿って1つ目の分岐を左下方向に。地蔵岳東稜の取りつきまで30分ほどで、所々に赤テープもありますが、取り付き手前は若干分かりにくいので通り過ぎないように要注意。

沢を渡る

取り付きを目指す

このあたりの岩を登って行けば東稜の取り付き

地蔵岳東稜の取り付きの壁沿いから左にトラバースして不行沢を横断します。

8時19分。
残置ロープなどを目印に5分ほど登るとリングボルトなどが打たれた壁が現れるのでここが温故知新ルートの取り付きです。


温故知新の取り付き

登攀詳細
先行に1PT登っているようだ、2ピッチほど先だろうか。

1P目:二村、40m、Ⅳ
8時34分、登攀開始。
やはり1ピッチ目というのは緊張するもので4級とはいえ緊張感がある。序盤はぼろいリングボルトだし、なんか湿り気を感じる。今回は全員自分の荷物は自分でスタイル。

出だし

この1ピッチ目は割とカチでバランシーなムーブを要求される感じだったが、後半戦は草付きなので序盤を頑張ればよし。

2P目:二村、20m、Ⅲ

草と苔と時々オカン。簡単だが所々脆い箇所もあり慎重に登る。立木で終了点。
このあたりで先行PTを待った気がする。

3P目:二村、30m、Ⅳ
9時31分。
終了点から左に少し歩くとカンテに突き当たるのでそこの立ち木でビレイステーションを構築。カンテ右側のチムニーというか凹角状にもルートが取れるようだが、ここはカンテを。

カンテへの乗り込みは立木を利用してえいやと乗り移った。このあたりから視界も開け高度感が出てきて気持ちのいいクライミングが始まる。先行PTがいたというのもあるのか、チョーク跡も多く手は明瞭。

4P目:二村、30m、5.10a
10時7分、ここからが温故知新のルートだ。
まずは草付きのバンドを右上していくと岩が出てくる。そこを左上していく。岩セクションが逆層で、下から見た印象と違い少しいやらしくフリークライミングの様相となる。手はしっかりとあるが程々の難易度で楽しむことが出来た。

最初は草付き

終了点に向け左上していく

5P目:加藤、15m、5.10b
10時59分、温故知新の核心ピッチ。通称、逆くの字。見上げたら簡単そうに見える。実際、フォローではあるがそれほど悪いという印象はなく、グイグイと登っていくことが出来た。フォローやし。ピン間隔も広くは無いので安心して登れるだろう。ちなみにここで決戦用シューズのインスティンクトに履き替えた。緊張してきた。

核心の逆くの字

5P目の終了点

6P目:がんちゃん、50m、5.10a
11時27分、長い50mのハイライトピッチ。私はここをリードしたかったので立候補。出だし1ピン目は少し遠く感じたがホールド、スタンス共にしっかりしているのでエイヤと乗り込み高度をあげ1ピン目を取る。

6P目の出だし

6P目を気持ちよく登る

その後はテンポよく登るが、時折サビたリングボルトなので一つ一つ慎重に登って行く。全部で取ってるとヌンチャクが足りなくなりそうだったので、飛ばすところを見極めていった。抜群の展望で高度感あり。

気持ちのいいロングピッチ

スラブ主体だが中盤でハングが現れた。ボルトもあるので突っ込めるが触ってみるとなんだか微妙。右も左もいけそうだが、右側から少し巻き気味で乗越した。

高度感あり

最後は緩斜面のスラブとなり、ここは取らなくても大丈夫そうなのでランナウトして、綺麗な終了点でフィニッシュ。木々が赤く染まり景色も堪能できた。
11時45分トップアウト、12時3分、全員が登り終えた。

6P目終了点

7P目:歩き、Ⅱ
12時11分、適当に岩とブッシュ帯を歩くと不行岳のピークへと。そこから残置スリングが垂れさがっている岩が見える。そこは雪彦山山頂へ向かう岩場のようだ。折角なのでそちらへ。

雪彦山を望む

残置スリングをA0してえいやと乗り越えれば簡単な岩歩きで、5分もしないうちに雪彦山山頂へ12時27分到着。

まあまあの壁

A0で乗り越えたところ

ゆきぴこ。

ここいらでお昼休憩として登山道を下山し13時27分に駐車場着。行動時間5時間44分。

下山同は明瞭

完走した感想
まずはチームオンサイトで感無量。私の提案に快く付き合ってくれてありがとう。

ハイライトともいえる50mある6ピッチ目をリードで、しかもオンサイト出来て、自信の外岩オンサイトグレードを更新出来たのがとても嬉しかった。そしてどうやら他の2人もオンサイトグレードを更新したとのこと。

もちろん難しかったのは核心の5ピッチ目だが、いや、4ピッチ目も逆走だし結構いやらしかったなぁ。と思ったのである。

赤く染まる山

そもそもマルチ10台初トライ自体が数週間前に登った大台ケ原のブッシュマン(5.10c)なのだ。ちょっと背伸びしすぎかなぁとか不安になりながら計画していたのだが、トライしてよかったなと思った。

夏の終わり

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