[アルパイン]北アルプス 穂高 岳沢 滝沢大滝登攀 2024/9/28-29

2024/09/30

2024年 アルパイン クライミング テント泊山行 マルチピッチクライミング 山行記録 登山 北アルプス 無雪期

t f B! P L

私自身の登攀大系とそこに詰め込んだカロリー

これは、私が、私自身の登攀大系をつくりかえるつもりで取り組んだ、とある柱状節理の滝=滝沢大滝登攀の記録(熱量)である。


柱状節理といえば、私の中で最も強く心に残っているのが御嶽山の兵衛谷である。2023年に遡行したがとても素晴らしかった。また、関西では名張の香落谷(クラックの岩場)なども有名であり、ここの岩壁は8㎞にも及んでいる。私は柱状節理が好きなのだが、「好き」だけでは言葉が足りないと思う。しかし、「好き」以外の言葉は見つからない


滝沢大滝は奥穂高岳の滝沢(つまり穂高の岳沢)にかかる大滝だ。標高は2450m、北アルプスでは珍しく柱状節理が広がり、岳沢小屋からも遠望できるそれは、夏の終わりまで雪渓が残っており、雨水や雪解け水が轟々と流れている。


滝沢大滝(岳沢大滝)の全容


いつからだろうか、そんな特異な滝沢大滝が私の心を犯したのは。


思い返してみると2023年、つい最近やないかい!というツッコミはさておき、何か面白い登攀ルートは無いかなと日本登山大系をパラパラ見ていた時にとある滝の登攀記録を見つけたのだ。私はその滝が気になりどんな様相なのかと調べてみることにした。そして、その独特な姿に強く惹かれ、この滝を登りたいと強く思ったのである。


登山大系によると3段140mで、初登は1962年7月31日、矢野正雄ほか1名。今から62年ほど前のことであり、それ以来ほとんど登られていないということだ。出典は岳人182である。


岳沢小屋のブログでは下段80m、上段120mの合計200mと紹介されている。下の滝は歩いて登ることが出来る(というよりも南稜から巻き上がり、下段の落ち口、つまり中段に立てるといった方が正しいだろうか)ので、登攀対象と言う意味では下段の80mと上段(中段を含む)120mだろうか。登山大系では全体を指して3段140mと言ってるのかもしれない。登山大系いわくグレーディングはV、A1となっており5ピッチ(20m-40m-40m-40m-40m)、登攀時間は3~4時間である。雪渓の具合や水流の有無などによってもピッチの切り方やライン取り、取り付き位置が変わるようで、実際に雪渓の有無によって滝を見た時の印象が大きく変わっていた。


広大なインターネッツの海では登攀記録を一切見つけられなかったが、バリエーションルートである奥穂高岳南稜のお隣さんであり、岳沢小屋からもよく見えるということも相まって写真が散見された。岳沢小屋のインスタグラムにも時折掲載され、雪渓の状態確認などに役立った。また、古本屋を漁り上記の岳人182を入手し(国立国会図書館にも所蔵ありました)、詳細な登攀記録を読み込んだ(2024年9月のことである)。初登時は雪渓やラントクルフトの処理、スノーシャワーを浴びての登攀などを行っていることが分かった。めちゃくちゃだ。


そんなイケメンの滝沢大滝、私にとっては非常に魅力的なのだが上高地からのアプローチであり(上高地に入るまでにそれなりに時間を要する)、それ以上の詳しい記録が無くなんかボロそうである。エイドの可能性も高いだろう。そんなこともあり、この話をしてもなかなか興味を持ってくれる人はいなかった。もちろんムラっちにも振られた。


時は少し遡り2024年5月のことである。BCスキーや沢登りをやられている松岡祥子さんのインスタで滝沢大滝を登りたいといった旨の投稿があった。私は凄くドキッとした。共感者がここにいた!という喜びだけでなく、なぜか「焦り」のようなものがあり、そこには色々な感情が混じっていた。


ここ1年ほどだろうか、色々なアクティビティを通して経験を積めば積むほど良くも悪くも諦めるのが上手くなっていく実感があった。いわゆる「撤退」というやつだ。スピーディーかつ安全寄りに判断出来ているといえばそうなのだが、撤退のハードルが下がっている気がしていた。

正常性バイアスにズブズブ浸かりがちな自分にとって、これは自分らしくない気がした。死ぬつもりなんてないが、死ぬ気で向き合えているか?突っ込めているか?多分そんなことはない。本気で向き合えていないような気がした。


心が枯れてしまうと思った。何かが足りない。


2024年7月4日。私は唐突にたごちゃんに「アルパインしたい、ビッグスケールなやつ、しらんけど」とLINEを送っていた。

「穂高屏風とか?」と返事が来たので、「滝だけど穂高に滝沢大滝というものがある」という話をした。二つ返事でOKしてくれた。


私の中の燻っていた何かに火が付いた。大炎上。


お互いに、こういうのに付き合ってくれるのは他にはいない。という感じなのだろうか(笑)。本当にありがたいと切に思った。この計画を立ててから、今年一番の目標となった。


当初の予定は9月21日~23日の3連休。2週間ほど前から天候が気になり始めるが、結局直前になるまではわからない。お流れになったら精神的に崩壊しそうだなと、1週間前になりソワソワし始めた。このために準備し、色々と練習したり、ギアの事を考えたり、装備の軽量化なんかやってみたり、その時が来るのを待ちわびていた。クマ出没により岳沢テント場が閉鎖されるなどもあったが、まぁどうにでもなるだろう、最悪小屋泊まりとかでもいいし。と楽観的に捉えていた。その点は結局問題無かったのだが。


そして連休の喧騒と共にその機会は我々に対峙するはずだった。

天気予報は3日とも雨。中止。悶々とする。どうしても登りたい。焦り。翌月あたりで予備日も考えていたが、日数的なことや季節的な事、お互いの都合が合わないことも考えそれは厳しかった。

私はたごちゃんに恐る恐る相談した。

「もし他の人が都合が付くなら別日程で行っていいものか」と。

快く「そっちで行ってきてもいいよ」、と後押ししてくれた。ありがとう。


といっても興味を持つ人は・・・一人ぐらいしか思い浮かばなかった。神戸山岳会の岩瀬たである。岩瀬たにこの話をし、無事に捕まえることが出来た。しめしめ。9月28日~29日となった。


さて、心配していた天気であるが、4日ほど前にJapanの南の海上に低気圧が発達したらしい。ヤツは台風16号(シマロン)と改名し北上してきたのである。


やめてくれ。

翌日、翌々日と各種天気予報を見ると土日の天気は曇り。数時間おきに天気予報をチェックする羽目になる。仕事が手につかない。予報モデルによっては土曜日は降水確率40%~60%、雨マークになりつつもある。胃が痛い。太田胃散はいずこへ。

27(金)に熱帯低気圧に変わったものの、ヤツの存在により雨が降り、水流が滝を滝らしめることになるのだろうかと眠れない日々が続いていた。


山行概要

日程:2024年9月28日~29日

天気:曇り

山行形態:アルパインクライミング

メンバー:がんちゃん、岩瀬た(神戸山岳会)

主な共同装備:ハーフロープ50mx2、カム#0.1~#0.2x1、#0.3~#3x2、#4x1、BDナッツ#4~#6、DMMオフセットナッツ7~11、DMMテリアx1、BDペッカーx1、BDクリフハンガーx1、ハーケン4、アングルハーケン3、アブミx3、アルヌン60㎝x12、アルヌン120㎝x2、捨て縄、アルパインタワシ





山行詳細

事前準備と偵察

神降地へ持って行く装備を決めるべくそもそもどんな滝なのかを調べた。特にネットに上がっている奥穂南稜の記録をいくつか確認した。そこには様々な滝沢大滝が載っていたが、もちろんそれらはただただ柱状節理であるが故に載せられたものばかりであり、登攀対象としての滝では無かった。そのため、あまりよくわからなかった。

それでもそこから登攀をイメージし、必要となるであろうギアを選定、準備した。前日偵察によって岩の状態を確認したり、登攀ラインやデプローチラインを選定することにした。
もちろん上記「岳人」も大いに参考になった。

デプローチについて
そのまま滝沢を登って吊尾根最低コルを目指すと標高差もあるため、そこから一般道で岳沢小屋に降りてくるにはそれなりの時間がかかりそうだ。サクッと下りたい。

というわけで地形図とGoogleアースでの上空写真をにらめっこ。おおよその滝の落ち口(明確なものがあるかは不明だが)を見極めたところ、なんとか南稜や左岸側の尾根に抜けられそうである。南稜ならそのまま下降すればいいし、左岸の尾根でも容易に(藪漕ぎ地獄の可能性が高いが)降りれそうである。

まぁ無理だった時は時間はかかるが滝沢を詰めていけば確実だから問題無いだろう、という結論になったが上部はよく見えないのだ。

このスタイルにどうこういう人がいるかもしれないが、そんなことはどうでもいい。開拓しているわけでもないし、そうだったとしても関係のないことである。迷惑をかけているわけでもないし、誰かにとやかく言われて何かを変えるぐらいなら最初からやらなきゃいい。むしろやめちまえ。今のSNSが発達した時代、外野のノイズが多いがそんなもの気にしてる暇などないのだ。SNSは全部ノイズ、自分に都合のいいとこだけインプットする。これでいい。とかく排他的になりがちなSNSや登山界も、時代の流れというものには全く無縁ではあり得ないだろう。滝の流れは今回に関しては別にいらないのだが。。。

なんならドローンも飛ばそうかとかなり悩んだが、抜けた時の新鮮味が薄れること、そもそも前日の天候が怪しいことを考慮しもっていくことをやめた。バスターミナルから岳沢小屋までの距離は長くはないので荷物が多くなることは全く気にしていなかった。


2024年9月28日、偵察

紆余曲折ありなぜか(喋っていたら)明神池あたりまで来てしまっていた。無駄ムーブである。まぁ今日は短いアプローチだけだし。。。と思い笑いながら戻る。岳沢小屋までは急登は無いし楽である。半パンはなんかダサい。

アプローチだけだし雨で濡れたら嫌だなと思い登攀とは別のウェアを用意した

アプローチは岳沢小屋のテント場かから沢沿いに20分ほど。雪渓が無いので楽だ。
遠望できるそれの真下に夏。柱状節理のそれが初めて直接私の視神経を刺激した。脳が震えた。

登攀ラインを探る。よく見ると残置ハーケン。まじか、あのラインか。。。昔の登攀記録のトポと照らし合わせる。こりゃ大変なことになった。

他の可能性も探るべくいろんなラインを複数の角度から偵察する。右岸側に少し上がり見てみると雰囲気が変わった。

下段の偵察

それでも容易で無いことは明らかで、下部は巻いた方がいいんじゃないか、、と弱気にもなる。壁沿いに下りてきたときに一筋の光が。ハーケンが連打されているラインを見つける。それでも相当悪そうで、A1は間違いない。

右岸側から偵察

あーだーこーだ議論し、恐らくこのラインなら頑張れば・・・という結論になる。私がリードしたいと申し出ておいた。

青色のテントにオレンジ色の寝袋とマット、そして空気の詰まった落ち着きのない枕。満たしきれない欲望と満点の星空の下で執念が思考を揺さぶる。今夜は眠れるだろうか。

あ、家にマット忘れたんやった。

2024年9月29日、登攀の記録

5時半ごろ、岳沢のテン場を発つ。5時ぐらいスタートのつもりではあったが。。。私が勘違いしていたのだ。ニッコリ。

5時55分、取り付き。

湿った空気のにおい、薄暗くぼんやりとした視界の中に滝沢大滝が再び現れた。陽は登っていたけど。

この登攀には、登攀者が、自分自身に対するまったくの誠実さで、自分を裸にし、困難に直面する冒険があるはずである。さあやろうか。

1ピッチ目(大滝下段):がんちゃん、20m、A2、Ⅳ
6時17分、登攀開始。

水流(といっても雨も降っておらず流れていないが、黒くなっているので良く分かる)の左寄りから離陸。
出だしから腐ったハーケンでA1である。今回はアブミ祭り(なぜか私のピッチだけ)。あまりアブミ練習をしていなかったということもあり、全体的にはあまりうまくいかないアブミワークで、すっきりした気持ちにはなれなかった。

下段の全容

このあとは腐ったハーケンと手汗をアドレナリンでごまかしジワリジワリと上がっていく。ハーケン、ナッツ、カム、ペッカー、テリア、アングル。すべてを活用した。

にっちもさっちもいかなさそうなところで、泣きの軟鉄ハーケンを叩いていた時、何かが落ちる音がした。うっかり何かを落としたと思ったら腐った残置ハーケンの頭がが落ちただけだった。

え???ハーケンを打った時の振動で他のハーケンの頭が飛んだのか・・・?ゾッとする。
尚、軟鉄ハーケンは先っちょ1cm程度が曲がっただけで入らなかったので諦めた。

なんとか凹角まで這い上がり、人ひとり立てる凹角の外径したテラスへたどり着く。

そのまま上がろうとも思ったがギアの残数も不安だ。細いクラックに連打されたハーケンでちょいとアブミであがったら、ちょうどピナクル状になっており安定してそうなのでスリングをかけまた下がってピッチを切った。

安息の地


安息の地から下界を見下ろす

8時8分、頭にルーフと握り飯状の岩を見据え、つかの間の安息を得る。

フォローも大変だったらしい

実に2時間弱の1ピッチ目。時間をかけ過ぎた。もっとエイドの練習してうまくやれれば1時間程度だっただろうか。それでもフォローの岩瀬たが、これは悪かった、リードでよく行ったと慰めてくれた。実際、腐ってるであろう(というか手で動くものや折れるものも多かった)ハーケンにアブミを何度かけなおしたことか。

1ピッチ目ビレイ点にて

2ピッチ目(大滝下段):岩瀬た、20m、A0、Ⅲ+
8時30分、スタート。

アブミも使わずひょいひょいと登っていくではないか。ルーフしたにカムを聞かせ右トラバースでA0。A0とはいうもののバランス取りでカムを掴んだだけである。ロープクリップしやんのかい。きっと流れを考慮してのことだろう。

8時52分、ビレイ解除のコールがかかる。
9時10分、フォロー登攀完了。

抜け口は割とひょいひょいといけてすっきり登れた。南稜から続く広いテラスだ。一安心。いったん休憩する。

テラスでぬるいコーラと下界

ここから見える中段の滝は5mほどで、左からいけばロープを出すほどでもないので歩く。

中段の滝は左からひょひょいのひょいと

9時30分、上部大滝取り付き。

その存在感に圧倒される。やばい。かっこいい。すごい。
めっちゃ柱状節理。

上部大滝と大好きな柱状節理

この穂高でそんなLOVELYな柱状節理に囲まれ、自分の身を置けていることに感激する。
まじかで見るそれの登攀ラインを探る。

事前情報通り、上部もかなり悪そうだ

水流あたりが過去に登られてるラインのようで残置ハーケンも少し見えるがかなり悪く、難しそうだ。

上段の全容、右端のラインを登り左へトラバースしてから直上して抜けた

右のルンゼ上を登るのは、ちょいとガレてるいて嫌らしいがそっちの方が弱点だろう。柱状節理のクラックもかっこいい。クラックといってもギリギリハーケンを打てるところがありそうってだけでほぼ閉じているが。離陸になぜかある(きっと雪渓があったりすると有用なランナーなのだろう)残置ハーケンもひん曲がってタイオフすらできないじゃないか。

3ピッチ目(大滝上段):岩瀬た、30m、Ⅳ
9時48分、スタート。
ステミングでぐいぐい登る。落石が怖い。クラックグローブを付けている彼はどこかでフィンガージャムをしたらしいが私はしなかった。多分必要ないやつ。

左岸の柱状節理

3ピッチ目かっこいい

ルンゼを抜けたら左壁に大きく15mほどトラバースしピッチを切る。
10時11分、フォロー開始。

4ピッチ目:がんちゃん、20m、A1、Ⅳ
10時30分、出来ればこれで落ち口まで抜けたいが、、、
と思い全集中の呼吸をしてリード開始。

スタンスがいまいち悪く、足を乗せていた足が欠けたりして2ピン目になかなか進めない。多分ガバだろうなとおもい、確認のためエイやと右手を取りにいったら少し滑り危うくフォールしかける。

出だし

しかし、ガバがあることが分かったので全集中の呼吸(2回目)をして手汗をひかせてからエイやと上がってガバ確保して立ち上がった。

のはいいが、やっぱりプロテクションが悪い。なんとかかんとか探して上開きクラックに#0.4をさしこみ右に進む。

ああまたプロテクションとれないぼろい草付きやないかい。と思いながらほじっくて#0.75を野に放ったが多分効いていないだろう。いいのだ、心の支えだ。

そこから直上しようとしたがぼろい草付き。ああ、嫌になっちゃう。下から左のトラバースはどう?と言われる。

あ、空中トラバースね。。。とりあえず様子をみてみたら、まぁなんかやれんこともない気がするので行くことに。

下開きクラックにカムをあっちにこっちに差し込み、気合いのA1空中トラバース。思い出している今、手汗がすごい。
ジワリジワリとすすみ、最後に大きめのナッツを聞かせ左足をえいやと開いてようやく安定したとこに立てた。

そこからちょちょいと左上し、落ち口までリードしたい気持ちを抑え、まぁまぁよさげなクラック(と思わせて一つは浮石気味の場所だが)でカム3つ突っ込みフォローを迎えることとした。

11時35分、ビレイ解除。

フォローを迎える

ここからしか見られない景色

5ピッチ目:岩瀬た、30m、Ⅳ
大滝の落ち口への抜けの最終ピッチは、まさにこの登攀のハイライトである。彼に譲ろうじゃないか。

トラバースして落ち口直下へ

まずは10mほどトラバース。まぁまぁ悪いムーブが続くがさすが、フリーで突破する。
最後はちょうど水流(もちろん流れていないが)のラインを登り滝沢大滝の落ち口へと出たのである。そこから少し伸ばしてコールがかかる。

11時55分。

登攀に愛着を込めて打ちまれたハーケンは、岩壁の意味のない遺留品としないため、つとめて撤収した。何一つ残さぬよう。

デプローチ

12時6分、私も登攀を終えた。凄く嬉しかったが時間は迫っている。そして目の前には小滝が連続している。さてどうやって戻ろうか。休憩しながら考える。吊り尾根に抜ける時間はなさそうだ。

小滝は容易に登れそう。二股に分かれるところで左に行けば南稜に合流できそうなのでその作戦で行くことにした。

大滝の先は小滝が連続する。ロープをしまい二股らしきとこまで進んだ

12時45分、南稜に合流。

地形図を見ながら進めばいい感じに南稜に合流することが出来た。若干クライムダウンが嫌なところもあったので50m懸垂2回を交えた。

左の方へと進路を取った

ダケカンバ懸垂

ルート

超絶見にくいがルートはこんな感じである。
オレンジ:がんちゃんリード
水色:岩瀬たリード
緑:歩き
赤:デプローチ

13時59分、取り付きに帰還。
14時16分、テント場。

16時半、バスに乗車。

完走した感想

近年の登攀記録が無いため不安なことばかりだった。そもそもプロテクションを取れるのか、終了点を構築できるような状態なのか、天気は?そんなことばかりが取り留めもなく頭の中を渦巻いていた日々だった。

また、当初予定していた、たごちゃんと一緒に登れなかったことは非常に残念だったが、私の強い意志を汲み取ってくれ、快く送り出してくれたことが本当に嬉しく、ありがたかった。

一抹の不安を抱え、それらと対峙し、私の中に詰め込まれていた大量のカロリーを消費しながら、自分のすべてをぶつけてやり切った。あまり効率よくできなかったこともあったが(エイド)これほど自分を見つめる作業としてふさわしいものはないように思う。

これが私の情熱であり、登攀大系なのかもしれない。

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