雪渡り:季節のオノマトペ
いつか行ってみたかった黄蓮谷の左俣。いつかっていつだよ。そんな事言ってたらいつまでたっても行けやしない。よしやろう。アイスを打ち込むようになって?2年ほど前から気になっていた黄蓮谷。
やりたい事は言葉に出せ、書き出せ、アウトプットしろ。と言いつつも結局は行動あるのみなのだ。計画を立てりゃなんとかなるさ。というスタンスで今冬もがんばるぞい。
はてさて、昨シーズンはむらっち、ナミエどんと計画するも天気などに翻弄され流れに流れ叶わなかった。なんだかんだ年末年始はコンディションが良く当たり年だったようだが、我々は外してしまったのだ。ドンドンマイ。
今シーズンも早めに計画を立て、欲張りな私は3日間使い右俣と左俣両方一気に行こうとしたのである。だって黒戸尾根のアプローチは長いし、そもそも関西からは移動が大変なのだ。普段一緒にクライミングをしているリョウさんやヒロユキも行きたいと行ってたなーと思い誘ってみたのである。
そんなこんなでモヨモヨしながら、悪名高い黒戸尾根が近づくにつれ、結局2つも行くのは大変じゃないか?となり、どちらかというと左俣に行きたかったので(他のメンバーも概ねそうらしく)左俣満喫プランに変更することとなった。
個人的にはテント泊が好きなのだが、最近は(準備や片付けが)面倒だなと思いつつあり、山ジャムは絶対小屋泊るーって言うやろなーと思いそういうプランにしたのだ。黒戸尾根だるいもんね。わかる。
スーパーウルトラメジャーな、クラシック?ルートで情報はたくさんあると思ので、そこら辺の細かいことはあまり書かないと思います。つまりこの記事はあまり参考にならないかもしれませんがご容赦ください。
要するに七丈小屋のおいなりさんを食べるのが一番の目的なのである。今日のおいなりさん。
日程:2024年12月14日~16日
天気:3日とも快晴、ほぼ無風
山行形態:アルパインアイス
メンバー:がんちゃん、山ジャムことナミエどん、リョウさん、ヒロユキ
主な共同装備:ハーフロープ60mx2、50mx2、アイススクリューたくさん、だるい黒戸尾根にくじけない心、お弁当でもらった今日のおいなりさん。あと薬たくさん。
山行詳細
1日目:竹宇駒ヶ岳神社~七丈小屋
雪がすっかり凍って大理石よりも堅くなり、空も冷たい滑らかな青い石の板で出来ているらしい。そんな冬が好きで、そんな冬が目の前にやってきたのだ。手で捕まえたらすぐに溶けてしまうかもしれないが捕まえてやろう。キャッチアップ。
長い長い黒戸尾根。初めての甲斐駒ヶ岳。噂にはよく聞くので行く前からナエトルである。ナミエとナエトル、似てる。
まぁそんなこんなで紆余曲折あり、むらっちは不参加、私と言えば1週間前に負傷した右ひざを悪化させ、まぁなんか色々とありスタートは12時となってしまった。
木なんかみんなザラメを掛かけたように霜でぴかぴかしているが、かれこれ10年以上雪山をやっている擦れた私の心はこれっぽっちも震えやしなかった。震わすのは心だけじゃねぇんだよ。エビのしっぽよりトカゲのしっぽ派。魔法陣ぐるぐる好きだし。
そんなこんなで6時間ほどかけ長い黒戸尾根を登ったのである。そして私の膝はパンパンに腫れあがるのであった。
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90度回転カレーバーグマンお替りし放題 |
2日目:黄蓮谷左俣
グッドモーニングショー。数PT入るのが分かっていたので、色々考慮してどうせ待ち時間で・・・と思い4時キショー、5時出発し、6時半に登攀開始プラン。ラーメンにコショーはかけないデショー。坊主の滝はその時考えよう。
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朝ごはんにおいなりさん
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雪はチカチカ青く光り、そして大滝も寒水石のように堅く凍っている。
膝が終わってるのでロキソニンをぶっこむ。まぁなんとかなるでショー。体調はいまいちでしょう。
結局私のコンディションも良くないし、よき場所を探し、坊主の滝は斜め懸垂トラバースで巻き、落ち口へと降り立った。登りたかったようなほっとしたような。私のわがままに付き合ってくれたみんなありがとう。。。
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良きところで懸垂トラバース
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この時すでにお寿司。私のモチベーションはとりあえず頑張って着いていこう作戦へと変わっていたのである。でもちょっとゆるふわなところをリードしたい。欲張りさん。
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坊主の滝上から |
細かいことは端折るが、チムニー滝はナミエどんリードでロープを1本引いてもらい、私はアッセンダーで上がった。というか全員か。我、思う、チムニーとはいったい何なのか。その謎を探るべく我々はアマゾンの奥地へとちむどんどんしたのである。
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チム感のないチムニー滝
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チム上 |
その後はまぁなんかフリーで色々とこなす。体調がゴミなので一瞬で息があがるのでゆっくり歩いた。途中はなんかロープや装備を一部持ってもらったり迷惑しかかけていない。これまでの山行の中で、今回が一番荷物を持ってもらったように思う。。。情けない。
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フリータイムです |
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フリーで越えられる滝が続く
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そして、大滝が現れる。ああ、これが大滝か、ああ大きいな。でも威圧感は感じない。綺麗だ。先行は2PTほど。右岸側には大滝の下の方でビバークしたらしいPTが登攀準備中であった。話を聞いたら色々あれでござったが割愛させてもらおう。私以上に反省頂きたい所存である。まぁなんか色々あれやねんな!!しらんけど。
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ついに大滝がお出まし
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はてさて、大滝が空くのを待ちぼーっとする。今回はナミエドンとザイルをザイルした。つまりザイルをパートナーである。レッツゴークライミング。
1ピッチ目、ナミエドンリードで多分40mぐらい
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真ん中なみえどん、右リョウさん
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大滝1ピッチ目終了点にて
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2ピッチ目、私がリード、55m
出だし以降はナメり始める。だが長い長い。とにかく長い。
キック、キック、トントン。キック、キック、トントン。キック、キック、キック、キックトントントン。
そして私は踊りながらだんだん寒水石を攀じ登って行く。
これはもう脹脛パンパン太郎で、パーンって弾けそうだった。傾斜がゆるいとほぼ足頼りなので足がパンパンのパンオショコラよね?
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大滝2ピッチ目をリード
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55mほどロープを伸ばし、右ラインを登っていたヒロユキの少し上の大岩でピッチを切った。これが60mロープの威力である。トワングに作ってもらったロープバッグが結構役に立つ(ハンギングの方が役立つだろうが)。
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2ピッチ目終了点から見下ろす
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その後は雪の回廊を闊歩したら、まだ大きな滝がアルマジロ。高さは30mほどだろうか。もちろんリードする気力もなく、ナミエどんにお任せ次郎。ナミエどんも疲労しており乗り気ではなさそうだが、リーダー命令なのだこれは。
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氷の回廊というやつ?
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氷の状態がイマイチで(2層になっているようだ)、足首の調子も良くないらしく、途中でピッチを切って2ピッチ目はヒロユキパーティーのロープを貰う作戦に。バックロープを引いてもらい私はフォローで登ったが、結構バーチカルやないかい!氷もあれや内科医!膝は皮膚科で見てもらいましたが、安全第一テンションかけつつ登りましたとさ。疲れてたしね?
ひろゆきが叩いたらピューと水が飛び出してきた。そのまま飲める奴じゃんと思いながら待機。
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最後の滝 |
そうこうして登攀ピッチも無事終了し、あとは抜いてもらったもう1PTのトレースをありがたくもらい、適当な(クソだるい)ハイマツ漕ぎをこなし、良さそうなところでトラバースして登山道に無事合流。
18時前に七丈小屋に辿り付き、インスタで繋がっていたヨウスケさんにもお会いできてハピネスチャージプリキュア!
シノブさんには40代に見られたのでお肌のケアをもっとしようと思います。しらんけど。
私は体調がゴミだし、足もパンパンに腫れていて、なんてこったパンナコッタで毛布にくるまり寝たというわけでした。
ちなみに怪しいPTさんはなんとなくの予想通り我々の2時間後に無事に小屋に辿りつき、みんな一安心というわけでした。めでたしめでたし。
3日目:下山す
頑張って5時間ぐらいで下山できた。辛い。
完走した感想
ここ2年程でアイスの鬼教官山ジャムことナミエどんにしごかれ、前週に練習と称して広河原に行った際も感触は良かった(膝と肋骨を割と派手に負傷したが)、自分の実力的には問題無いだろう、大滝のリードするぞーと意気込んで対峙したこの山行、サンキュー。
ほんの少し右俣(と甲斐駒ヶ岳の山頂)に淡い恋心を残し(もちろん片思いです)、後ろ髪を引かれる思いもあったが(最近寝る時にシルクのナイトキャップ被ってます)、みんなと登れた楽しさや達成感、充実感?カンカンカン?を感じることができた。
みんな色々あり(ヒロユキだけハプニング無し?)兎に角心配も、迷惑もたくさんかけてしまったこの山行。まぁなんとか無事にやりきることができたので、、、ありがとうオリゴ糖、よく飲んでるのは果糖ぶどう糖液糖。
今年もまた一つ、自分の掌に握っていた、これをやりたい!というものをしっかりと掴めたように思う(と思ってたのだがあんまりいい所はなかった・・・)。冬は長いようで短い。いや、短いかも。
残された時間の中でそんな冬のキンと冷えた鋭い空気を全力で吸って(傷めた肋骨や膝が軋む音)満喫してやろうじゃないか。
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仲間たちにたくさん助けてもらった
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以上、ここまで読んでいただきありがとうございました。
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