ナポリの由来はナポリの男たち
明星山とかいて「みょうじさん」と読む。関西からだと兎に角遠い。片道400-500㎞ほどだろうか。時間にして6-7時間といったところだ。
最近登山ユーチューバー(失笑)としてブイブイいわせている登山女子ナポリならぬ、あやちゃんとどっか登りにいこうという話になっていた。登山女子ってか登攀女子やろ、Youtube改名しろとは思わんでもなくない。ここでは一切宣伝などしてやらんのだ。尚、コラボしよとかぬかしていたが、コラボ?知るか!!勝手にしろ!と言っておいた。登山女子なぽりで私のチャンネルの宣伝お願いします!!
ほんでほんで、山かクライミングか。。。まぁなんでもいいやって感じで、思い出したのがピッチ数の多いフリースピリッツだった。
彼女と知り合ったのは2-3年ほど前の名張だろうか。時すでにお寿司で、彼女はすでにゴリゴリ登れるクライマーでクライミングを初めて2年ほどでサーティーンを登っていただろうか。トラッドもなんかトゥエルブだかなんだか登れるらしい。
そんな彼女とは境遇が色々と似ているところもあったりして、すぐに仲良くなり、まるでマブダチのようになっていた。知らんけど。お互いに気を遣わずに話せる数少ないクライミング仲間だろうか。
クライミングの上手さに関しては、アイスも含め私とは一線を画すレベルなわけだが、ことアルパイン(というか寒さ?冬?)に関しては本当にゴミのような弱さで、2年ほど前に一緒に行った冬の八ヶ岳の中山尾根ではおんぶにだっこ状態であった。フリーはめちゃくちゃ強いのにアルパインはゴミ。こういうのを見るのはとても楽しい(性格悪い)。
今年もアルパインをしようだとか、スキーを始めるからやろうだとかそんな話で盛り上がりつつ、我々は冬支度を始めるのである。まぁそんなことはどうでもよくて、フリースピリッツを登るなら遠いし、せっかくなので他のルートもということで探したところ西壁に程よい感じのルートがあった。
1日目に西壁の竜ルート、2日目に南壁のフリースピリッツだ。落石なども考慮し、複数PTは面倒だと思っていたので2人の予定だったが、あっというまに関西を捨て長野移住したツクシが、友達がいないからと仲間にしてほしそうにこちらを見ていたのだ。
仕方なく、しかーーーーたなく仲間に入れるのであった。しゃーなしやで。
今回も前置きが長くなった。まぁメジャーなルートの情報とかはインターネッツに溢れかえっているのでこれでいいのだ。もはや登攀の詳細を書くのが面倒になってきている。なんせ竜ルートは5ピッチだが、フリースピリッツは13ピッチだか15ピッチだか、まぁ大体そんな感じで全長485mぐらいとクソ長いルートなのだ。思い出すのが面倒である。
ナポリの男たち・・・?そんなに男おるんか。
日程:2025年11月15-16日
天気:晴れ
山行形態:マルチピッチクライミング
メンバー:がんちゃん、あやちゃん(ナポリ)、関西を捨てたツクシ
ギア
60mハーフロープx2、60アルヌン13本ぐらい、カム0.2~2を1.5セットぐらい。我々は雰囲気でクライミングをやっている。
駐車場とトイレと携帯の電波
駐車場所はヒスイ峡の駐車場、フリースピリッツは展望台横がよい。ちなみに周囲は電波がなさげ。フリースピリッツの後半ピッチぐらいになるとちょっと入り始める。
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| 駐車場から |
山行詳細
登攀詳細:西壁・竜ルート、4ピッチ、5.10c
西壁は南壁と違って渡渉不要。橋を渡り明星山の一般登山道からアプローチすることができる。迷う要素はない。橋の柵が崩壊しててちょっと怖い。
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| 斜めってるし柵ないし高い橋 |
だらだら40分ほど登ると取り付きに、スラブが綺麗だ。紅葉もいい感じで、雉を打つ。もう満足した。同ルート下降なので靴は置いていく。私のザックには少しばかりの夢と希望と行動食を詰め込んだ。
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| おおまかな竜ルート |
1P目:がんちゃん、5.9、30m
出だしからアルパインチックなピッチなので問答無用で私担当。グレードも低めなので助かる。
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1ピッチ目 |
といいつつもやはり1ピッチ目は体が温まっていない、気持ち的にもアレなので怖い。
適当に左上していく。30mほどいけば終了点。左上しているが天才的ランナー取りでロープアップはそれほど重くない。ドヤ。
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| 紅葉が綺麗でばえる |
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| 1ピッチ目終了点 |
2P目:あやちゃん、5.10c、50m
本ルートの核心ピッチ。ハングあたりでしばらくまごまごして時間がかかっている。本当にサーティーンクライマーか?見た感じ核心部は持ち感が悪いようで、脆い箇所もある。私もフォロー時に欠けたような気がする。
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| 2ピッチ目 |
5.10cまではチョークはいらないといて彼女はチョークを持って来ていない。舐めプかよ。まぁ私も5.9までは不要理論で腰に付けたものの使いはしなかった。アルパインにチョーク!アルチョー。
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| もじもじゾーン |
そいうこうして時間はかけたものの、なんだかんだちゃんとOS。やはり強い。
3P目:ツクシ、5.10a、40m
自分がフォローしたピッチってなんだかんだ記憶にない。しっかりとチョークアップするマツタケ(隠語)、いやツクシによってホールドは明確な気がした。持ち感が悪いところは少しあり、効かせる方向をしっかりと考えながら登った。
登攀詳細:P6南壁・フリースピリッツ、13ピッチ、Ⅴ+5.8
前置き
南壁は渡渉が必要だが、駐車地から10分ほどである。間違えなければ。我々3人はアホなので1時間かかってしまった。
どう考えてもアプローチミスは全員のミスである。各々が適当であった。
最初から展望台横から下降していればよかったのに、よくわからんとこから導かれた。
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| フリスピの取り付き |
今回は3人PT、15ピッチのこの長いルートで毎回リードを変わっていたら大変なので2-3ピッチ毎にリードを変わる作戦でいった。また、フォローはフリーに拘らずA0も辞さない。落石などに注意しつつ同時登攀を行いスピード重視とした。
ロープさばきは特段ミスもなくまぁまぁうまく行ったと思う。1つしか持ってきていなかったが、マルチ用ロープバッグはやはり便利だった。60mハーフ2本はさすがに全部入りきらずキャパオーバーであったが、途中まで入れるだけでもだいぶいい。
各ピッチの登攀詳細は省くとする。西壁や他のルートと違い、南壁のフリースピリッツは人気ルートなのでネットの情報も多いだろう。ぜひそちらを参照していただいて、今回は我々が直面した問題や感想のみを記すこととする。いうことがあるとすれば基本的には残置に導かれればいいが、他のルートが近いこともあり注意しながら登らなければならない。まぁグレード的に怪しいとか触られていなさそうとか、ラダーとかは基本的にルートミスである。それでも自分が登ったとこがフリースピリッツだと言い聞かせればいい。
登攀中のあれこれとか
私は(やはりごちゃごちゃしている)最初の2ピッチと、最後のトラバースとフェース、そして下降路へたどり着くためのⅡ級ほどの3ピッチ、合計5ピッチを担当した。
最後から2つ目のピッチ、5.9が最もフリークライミングというか岩が安定していてカチっとしていた気がする。ムーブも必要でちょっと細かかった。
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1ピッチ目
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トラバース区間はリードよりもフォローが圧倒的に怖い。そんなものはアルパインで重々承知の介。なのでなるべくフォローの人の事を考えてランナーを取るようにした。ダブルロープなので同じ支点から2本ランナーとか。そういえば屈曲で重くなるのがあれだなぁと思ってプーリー付きカラビナを持って来ていたのに車に残置していた。まったくもって残置ヨシではない。
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| 中盤のほう |
後半ではアヤちゃんリードピッチで、ツクシが登っている時に大きな岩が剥がれ、3mほど落ちていた。彼はきっと死んだと思ったのではなかろうか。すごい声を出していた。ケガをしてないか心配だったがなんとかなったようだ。
どのピッチも同時登攀だったが、このピッチは二人が登るラインが大きく異なっていたのが功を奏した。。
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| 中盤のほうたぶん |
そして最後の3ピッチ、徐々に暗くなり始める。トラーバスが終わり残り2ピッチ。いい感じのフェースが気持ちよかった。
しかしまだ終わらない。ここから最後はザレ場を左にトラバースしていって最終ピッチ終了のはずだ。はずだった。しかし私はそんなものを把握していなかったのだ。
二人を迎える間にどのあたりを登るか目星をつけておく。何となく登れそうなところがある。右上方向だ。
最終ピッチはトポを見るに本来ガレ場を左にトラバースするように行くようだが、私のようにちゃんとトポを見ないで行くと大変なことになる。上部に抜けたところで尾根通しで繋がっていると思っていたのだ。地形図をみるに岩壁記号も終わっているし。
そして最終ピッチをリード。藪とか岩を右上していったのだ。確かにまぁⅡ級ではないのであるが気にせず突っ込みほぼ60mほど伸ばす。そのまま歩いていけばどうにかなるだろうと思った。
結局、ブッシュ交じりの左岩稜に行くべきところをブッシュ交じりの右岩稜に行ってしまったようだ。どちらに行ってもブッシュはブッシュブッシュしていただろうが、右と左では大違いだ。私は右派だが、巷ではたいてい左稜線とかが多い。なぜなのか。
このまま上がっていっても尾根に出ることはできず、結果としてはどうにもならなそうなので作戦会議。ナポリはお花を摘んでいるらしい。
地形的にはこのまま標高を維持して左に藪をしばらくトラバースすれば、いわゆるザレ場らしきところの末端、もしくはそこを横断して左岩稜へワープできるだろうと思った。
で、そのあたりから下降路に合流、もしくは懸垂を何度かすれば本来行きたいピンクテープなどがわんさかある下降路の途中に出られるはずだと算段を付ける。
レッツゴー暗闇をかきわける。ぼちぼち行くと傾斜も厳しくなりさすがにトラバースが厳しくなってきた。地形図を確認するとどうやら下降路の上部あたりである。レッツゴー懸垂。
こーいうガチャガチャ藪藪懸垂は私の担当である。
まずは60mいっぱい藪をかき分けていく。多少屈曲するが比較的まっすぐなので大丈夫だろう。突っ込みがちな私ではあるが、こーいうときはある程度切りながら行った方が、ロープスタックするリスクが減るのでそちらをお勧めする。
で、あとは標高差で20mほどで下降路に合流できそうだ。60mロープなので1本で行けそうだ。レッツゴー。
目測はあたり、30mジャストで下降路のフィックスロープとピンクテープを発見。我々は安堵し、あとはフィックスとテープが明瞭な道を下山したのであった。駐車場に着く頃には21時になっていた。不思議と疲れはなかった。
完走した感想
私はというと登攀へのモチベーションがあまりなかったのか(肋骨痛いし)、トポをちゃんと読みこんでいなかった。その結果最終ピッチで余計なムーブを繰り出していのだ。全体的にクソである。
結局、遅くなっても明るいうちにトップアウトできるであろうという甘い見立ては残念ながら達成することができなかったのだ。
チームオンサイト?確かにそうだ。だがそんなのはどうでもよかった。グレードだけ見れば今の我々3人なだ誰がどのピッチを登ってもできて当たり前のグレードである。
もともとこのルートをやろうと思った理由が長いマルチピッチ慣れ(ロングホープの練習)なのだ。関西を捨てた男が急遽加わり3人になり、若干気を抜いていたのはあるがこれじゃああんまりだ。何をしているんだ私は。。。と反省したのであった。
参考情報として、プロテクションは割と豊富にあるが小さいカムが2セットほどあるとそれなりに使えるだろう。2番はあってもいいかもぐらいだ。微妙な終了点もあった心配な人はハーケンをもっていってもいいかもしれない。
残置や終了点のボルトは穴が曲がったったハーケンや、残置スリングで渋滞しているものも多いので、アンジュなどの細いカラビナを付けたアルヌンがいくつかあると捗る。ロープ側のカラビナにアンジュはクソだが^^
長いマルチピッチ、そう、本来はロングホープの練習として考えていたこのルートだが結局今年もロングホープに挑戦することはなかった。まだイレブンをオンサイトできる実力も地震もなかったので秋の挑戦は諦めたのだ。ああ、ロングホープは春だなと思いながら帰路に着いた。
ブログに記録は書いていないが、先日登った穂高の屏風岩(T4尾根-雲稜未満)のように大きなこの壁は楽しかった。気候も今ぐらいがちょうどいい。
こちらは写真メインアカウントのインスタです。よかったら覗いてみてね。
しゃあなしでナポリのYoutubeも貼っておいてやるか
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