やはり山でのクライミングはいいものだなぁ
山に登りたい。ああ山に登りたい。山でクライミングをしたいのだ。と思いながらお盆の予定を考える。そんな中、最近なにかと「更年期」のせいにして言い訳をする山ジャムことナミエどんから山に行きたいといわれる。あなた1年ぐらい行ってませんよねと思いながら、適当にいくつか見繕ってみる。
最終的に選ばれたのは私が一番好きな剱岳であった。といっても剱で登攀できるルートはそれほど多くなく、限られている。南壁は既にいくつか登っているし、剱尾根は登ったし、チンネはタイミング的にまだ残している。そうなると八ツ峰や源次郎の岩場である。
色々考えた結果、登攀後にサクッと山頂に行ける源次郎がよさそうだ。そう、山頂に行きたいのだ。
今年のお盆は台風が来たりこなかったりの予報である。1週間ぐらい前から山ジャムから天気予報のスクショが送られてくる。そんな前からみてもどうしようもないので適当にあしらっておいた。だいたいこういう輩は行かない理由を探すのだ。そしてうだうだ言うので面倒臭い。
山屋ならごちゃごちゃ言ってないである程度直前に判断して、とりあえず行ってみろ。山の天気なんてものは入らないとわからないんだよ。と思うのである。
当初の予定では中央ルンゼから継続しようと考えていたが、そもそもあの付近は数年前に崩落していること、今回の天気では前後で雨が予想され落石などのリスクが高いことなどから、源次郎尾根1峰の成城大ルートのみを登ることにした。
日本の岩場下巻だと4級5.10a、8ピッチとなっている。
というわけで予備日含め4日間抑えていたが、天気の都合で3日間で入山し、中日にアタックすることとした。
ちなみにこの記事は、成城大ルートのアプローチや登攀内容をインターネッツで調べてる際に、なんとなくわかりにくいなとか思った点が多々あったので、それをある程度補完できるように、ほどほどに情報を書いています。
まぁアプローチはGPSや写真を参考にすればまず間違えないと思います。各ピッチのルーファイはハーケンや複数のトポ図を参考にすればおおよそは大丈夫でしょう。まぁそもそもトポによって絶妙にグレーディングやラインどりが違うように見えるので好きなところを好きなように登ればいいでしょう。
ピッチによっては脆い箇所もところどころあるのでお気を付けください。
日程:2026年8月12-14日
天気:晴れと雨と雨と晴れ
山行形態:アルパイン
メンバー:がんちゃん、ナミエどん
主な共同装備:ハーフロープ50mx2、カム1セット#0.3ー#2(マイクロ2セット)、軽アイゼン(チェンスパでもいい)。
駐車場と電波
扇沢側からイン、お盆であったが意外と停められた。一番近い駐車場は有料らしいが、歩いて5分程度の無料があるのでそこで問題ない。ちなみに立山側はすべて無料だが結構混雑するようだ。(アルペンルートの料金が大違いだが)。登攀ルート上の電波は弱めで、ドコモ(日本通信)は多少入ったが遅かった。au(povo)は全然ダメだった。
山行詳細
<1日目:室堂~剣沢キャンプ場>
アプローチの偵察をする気もあまりなかったので適当にゆっくり入った(チケット予約出来た時間的にも)。室堂や雷鳥沢の観光客はラテン系?が妙に多くアジア系は少なく意外だった。
全身オレンジでダサい私は割と振り返られたりして後ろ指をさされる。やはり1カラーコーディネイトはクソほどダサい。世界が私に追いついていないと思う。
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控えめに言ってダサい
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扇沢(黒部ダム)側から入るというか、こちらから入ったことはない。黒部ダムを見たのは大学生ぶりだろうか。実に15年ほど前の話である。黒部ダムに着くと雨が降っていた。傘を奪われた。
室堂に着くころにはおさまっていた。助かる。剣沢キャンプ場までのだるいアプローチをダラダラとこなす。さすがにいい時間なのでそっち方面に行く人は少なかった。
剱岳の山頂は恥ずかしがり屋なのか雲の中に隠れていたが、しばらくするとひょっこりと顔を出してくれた。
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| ひょっこりはん |
<2日目:源次郎尾根 成城大ルート>
山頂を踏み明るいうちに下山するプランであればある程度早く出るべきだが、まぁ山頂まで明るかったらいいだろうぐらいの気持ちで出発することにした。
源次郎尾根上での取りつきへのトラバースも見逃したくないので。
というわけで空が薄ら明るくなり始める4時20分スタート。
適当なところから雪渓に取りつき、アイゼンを装着して降る。
5時20分、源次郎尾根の取りつきへ到着。そこからしばらく歩きタイムだがこの日はたくさんの人が源次郎尾根に入っていた。アイゼンを外し少し休憩したのち5時35分行動再開。
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源次郎尾根取りつき
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学生PTも多く、複数の大学で合わせて20人近くはいたようだ。時折談笑しながらゆっくり進んでいく。野イチゴは甘みがあまりなく美味しくなかった。
7時20分ごろ、取りつきに向かうトラバースポイントは大岩を右にまき、しばらく進んだあたりだ。よく見ればトラバースの踏み跡があるが、少し薄いのでどうだろう?もう少し上かなと進んでみたが違いそうなので引き返した。
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トラバースへ進む分岐点
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やはりここだなということで、標高2450m付近の踏み跡から中央バンドをトラバースしていく。踏み跡は結構明瞭であるが、藪い。
山が1年ぶりだとほざいているナミエどんはテンションが低いのが目に見てわかる。ちょっとした藪ですらブーブーと文句を言い、機嫌がわるい。何を言っても意味はないので、なるべく刺激しないようにお守りをするかのように進んでいく。
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この草付を左上していく
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ルンゼは下らないようにし、いい感じに安定したらひたすら草付きの斜面を上がっていく。
あとはルンゼでもなんでもいいので上がっていく。とりあえず上がればいい。
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ところどころ踏み跡あり
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下からは取りつきがどこなのかはピンポイントではわかりにくく、あれか?これか?と思いながら登っていくと、滝のような箇所があるのでそのあたりを越せばハング下の凹み(取りつき)とテラスが左岸側に現れてよくわかった。
ちょっと急な草付き斜面を10数mあがれば取りつきだ。
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上の方の黒いハング下が取りつき
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ここまで取りつきが不明瞭で、若干不安であったがなんとかなった。8時10分に水が滴る取りつきへ。広さはあるが、地面は濡れているので快適さは△である。
1ピッチ目:30m、Ⅲ、なみえどん
8時45分登攀開始。テラス右の凹角から入る。草が生え時折濡れておりお世辞にもすっきりしてるとは言い難い岩を登り、ブッシュをかき分けていく。適当に30mほど進めば終了点。ランナーは残置ハーケンや適当に木などで取れる。とても簡単。
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1ピッチ目のビレイポイント
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1ピッチ目ごちゃごちゃしている
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2ピッチ目:40m、Ⅳ、がんちゃん
ようやく岩登りらしくなり、高度感も少し出てきて気持ちがいい。
右側のカンテ上からフェースを登っていく。20mほど進むとちょとしたテラスが出てくるがボルトが1本打たれているだけのようだ?
ここで切るのもアレなのでさらにカンテの左側の凹角を登り、またすっきりとしたフェースが現れる。まだ全然伸ばせるだろうと適当に進むとトポの3ピッチ目までを繋いでいた。
3ピッチ目:20m、5.10a、がんちゃん
リードしたかったハイライトピッチ。是が非でもオンサイトしたいので荷物を多少持ってもらい、ザックを少し軽くした。
スラブを左にトラバースする。出だしの1手でフレークが剥がれそうだが、ゆっくりと荷重し恐る恐るすすむ。
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トラバースはハーケン1つ
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途中にハーケンが1本あるが落ちるわけにはいかない。手は割としっかりしており、フットホールドもしっかりと見極めればどうということはない。あとはクラックに手を伸ばしていけば安定してくる。といいながら途中で記念撮影をしたりする。
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クラック沿いに上がる
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カムが有効というか、ハーケンはほぼなかったような記憶がある。
クラック沿いに少し上がり、少し右に行くと20mほどで終了点。
ムーブ的に特段難しいわけではなく、高度感や基本的にNPであることなどからグレードに踊らされている気もしなくはない。重荷を背負っててもまぁいけるだろうという感じ。
4ピッチ目:30m、Ⅴ、なみえどん→がんちゃん
ルーファイ核心か?
まずはなみえどんがリードしたがA1ルートもあるようにみえる。結局そのあたりまで上がるところが細かくプロテクションも取りづらい。
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4ピッチ目の出だし
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そこまであがらずに最初から左にトラバースしてクラック、フレークなどでプロテクションを取りながら上がるのが弱点だったかもしれない。
結局スラブを直上し、左トラバースでよもよもしている。左上するあたりでリーチの問題か勢いよく行けず、戻ってきてプレイヤーチェンジ。
ここまで少し時間がかかっているので早く抜けるために途中まではほぼゴボウ。
私は左トラバースはすんなりいけたのでやはりリーチ+気持ちの問題だろう。
これはⅤ級じゃない、5.9はあるだろう!!とナミエどんは文句を垂れていたが、多分ルート取りとプロテクションの取り方な気がするのでまぁⅤ級が妥当なんだと思う。
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終了点から足元
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終了点はご立派なボルトが3つ現れる。
終了点左のクラックから登る。出だしが少し大変。10mほどあがれば草付につっこみあとは簡単。ほぼ藪歩き。適当な細い立木でピッチがきられていた。
簡単。なるべく岩を登るようにするが序盤は基本的に藪。ランナウトしつつ適当に灌木などでプロテクションをとる。
上部に行くと楽しい岩登りが少し出てくる。高度感がいい。そうこうしているうちにゆるいハイマツ帯に突き当たる。この先は源次郎尾根ノーマルルートまでもう歩きだろう。
ということで適当にピッチを切る。
これにて登攀終了。ロープ解除し靴を履き替えハイマツに突っ込む。ほんの2-3分でルート上に出た。14時半であった。
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最終ピッチの足元
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想定内ではあるが6時間もかかってしまった。もう少し早く登れれば良かったが、ロープがからまり上手く繰り出せないことがあったぐらいで、(いつもの言い合いはさておき)大きなトラブルはなくまぁぼちぼちでしょう。
源次郎尾根
ここまでくればあとは源次郎尾根を進むだけだ。ほどなくして1峰、2峰がある。しかし疲れ果てたナミエどんの牛歩は遅々として進まない。牛どころかナメクジだ。クソザコナメクジ。
山歩きをしていないのでまぁ当然といえば当然である。ヘッデン無しで下山できたらいいなーとか思っていたがちょっと怪しい雲行きである。そもそも雲行きが怪しく、雨に降られるのではないかと心配になる。
結局山頂に着いたのは16時40分、着くと同時に雨が降り出した。そそくさと記念撮影を済ませ、ビビッドな蛍光オレンジの雨具(年1で持ち出すかも怪しい)を羽織、下山する。ズボンはそのままだ。
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誰もいなかった
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全身びちょぬれになりながら、途中でおなかが空き行動食を掻き込む。剣山荘までほぼノンストップで降りた。2時間ぐらいだろうか。適当に夕焼けを眺め、台湾人クライマーと談笑し(片言の英語)、ヘッデンを頭につけてテント場へと登り返した。
室堂へは3日目に下山なので気が楽だ。
完走した感想
ルーファイ?登攀スピード?はもっとあげられたと思う。そもそも日数的に余裕があったのでそれほど気にはしていなかった。
初見(我々は初見だったが)かつ初日などに時間的、体力的余裕があるならトラバースポイント、もしくは取りつきまでの偵察に行ってもいいかもしれない。
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テント場からみる成城大ルート
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どうせなら中央ルンゼも登りたかったが、大変な思いをしてまで登るほどでもないかもしれない。
やはり山はいいものだ。動植物や景色、人との出会い。ここには書ききれないたくさんのものがある。
失うものがあれば、得られるものも多かった。これからもそんな山を続けられたらいいなと思った。
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