調査兵団一行は厳冬期の乗鞍岳に再び挑んだ。
2020年3月1日の山行記録です。
リメンバー乗鞍。厳冬期は2度目、残雪期も含めると3度目だが、これまで一度も雪の乗鞍を登頂していなかった。
我々は登頂することができるのだろうか・・・。前回敗退した記録は以下をご参照いただきたい。
戦わなければ勝てない・・・
あれから月日は流れ1年が経ち、山々には再び厳しい冬が訪れていた。
その日人類は思い出した。ヤツ(風雪)に支配されていた恐怖を・・・。鳥籠(雪山)の中に囚われていた恐怖を。思い出したら行くしかないな。ということで、当初の予定では2月の3連休で行こうと思っていた。しかし、天気予報をみるとかなりの風が吹くようだった。
前回の予定をずらして3月に挑戦することに。今回の天気は申し分なさそうなのでアタックすることを決定した。何言ってんの?調査兵団は未だ負けたことしかないんだよ?などと言われそうだが気にしてはいけない。絶好の天気なのだ。行くしかない。今回の調査兵団は私と嫁である(いつものごとく)。
人は戦うことをやめた時初めて敗北する
それでは戦おうじゃないか。前回と同様に休暇村第7駐車場からスタートすることとした。尚、駐車場までの道はノーマルタイヤ(FF)で問題なかったが、若干凍結気味のとこもありギリギリ感はあった(チェーンは携行していた)。4WDスタッドレスが欲しい。
ルートとコースタイム
タイム:8時間36分
距離:13.9km、1483mアップ
7時37分 休暇村第7駐車場→12時22分 朝日岳山頂→12時45分 蚕玉岳山頂→12時52分 頂上小屋→12時54分 乗鞍岳 剣ヶ峰 13時38分→13時45分 朝日岳→16時14分 休暇村第7駐車場
前回の反省を踏まえて行動
今回は前回の失敗を活かし、
万全の体調、装備、そして時間に余裕をもって挑んだ。駐車場から意気揚々と出発し、スキー場を進んでいく。
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休暇村第7駐車場からすぐのゲレンデを進む。 |
今回は
出発時間が早いためリフトはまだ動いていない。足慣らしにとスキー場脇を登っている途中でアイゼンをつけたが、なくても問題ない雪質であった。天候は穏やかで太陽が出ており風もほとんどない。少しペースを上げるとかなり暑かった。
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オープン前のゲレンデ |
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三本滝レストハウス前。整地された雪面に足跡を付けるのはちょっと気が引ける。 |
前回敗退したツアーコース終点から
一行は順調に前回敗退したツアーコース終点まできた。ツアーコース終点の先は少し埋もれる感じもあるが、靴がずっぽり埋まるほどでもなくツボ足で平気だった。
気温が比較的高く、
湿った雪がアイゼンに塊となってへばりついていた。取るのは煩わしかったが、歩きにくいので、
時折様子を見ては雪の塊を剥がし進んでいった。
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約2400m地点のツアーコース終点の看板。前回はこの少し先で引き返した。 |
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約2500m地点、このあたりから樹林帯を抜け風を遮るものがなくなる。 |
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肩の小屋口に向けて進む。 |
肩の小屋口に着く頃には、少し凍結しているところもあった。比較的歩きやすくなっていたが、樹林帯を抜けたことで風が直接吹き付けてくるようになった。それでもまだまだ穏やかな風で、ゴーグルなどは必要ないなと思った。
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肩の小屋口の裏にスノーシューをデポ。 |
スノーシューを持ってきていたが結局使わず、
肩の小屋口にデポすることに。
ただの重りとなってしまった。ただ、
装備は万全にしておきたい。
乗鞍岳の核心部へと
肩の小屋口から肩の小屋方面へと向かう。小屋に用事はないのでスルーして、乗鞍岳の北側に位置する
朝日岳へと登った後、
乗鞍岳山頂を目指すこととした。
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肩の小屋手前から朝日岳を望む。 |
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肩の小屋 |
朝日岳への登りは、
ところどころアイスバーンとなっていたが、特に難所はなかった。
直登すると少ししんどい斜度ではあるが、距離はそれほどなくジグザグにゆっくりと歩を進めた。この登りは難易度的に核心部といったところではあるが、
天候さえ悪化しなければ問題ない感じであった。
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朝日岳北面を登っていく。それにしても見事な青空だ。 |
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ところどころ岩が露出しているが、避けて通る。 |
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そういえばアイゼン無しの長靴で登っている人がいて驚いた。 |
天気は快晴だがいいペースで登っていることもあって少し息があがっていた。なんだこれしんどいぞと思いながら、呼吸を整えつつ登っていく。
しんどくないけどしんどい。体調が悪いという感じではないが。そうこうしていると
嫁に置いていかれてしまった。ぐぬぬ、何ということだ。。。きっと
嫁の調子が良すぎるだけだろう。。
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ハァハァ言いながら岩とのミックス帯を登っていく。と言ってもほとんど避けているので特に難しくはない。 |
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朝日岳2,975mより。乗鞍岳 剣ヶ峰が見えてきた。 |
時間的に余裕があったため途中でドローンを飛ばして空撮を楽しんだ。風速は最高でも10m/sぐらいの予報で、昼から夕方にかけて弱まっていくという情報通り、風は弱くドローンを問題なく飛ばせた。この日は
本当に最高の天気だった。
乗鞍ブルーというやつか。
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蚕玉岳2,979mより、乗鞍岳 剣ヶ峰を。少し雪庇が発達していた。 |
朝日岳から10分もかからずに
蚕玉岳へ。ここまで来れば
剣ヶ峰はもう目と鼻の先だ。ついにここまで来たのだ。この
最高の天気の下、登ってこられたのだ。
厳冬期の乗鞍岳、登頂成功。
やりました。やりましたよ。
苦節5年(別に苦しんではいないが)、
挑戦すること3回目。山頂に着き、ヨッメとハイタッチを交わす。
我々は雪の乗鞍岳に見事登頂したのである。
失敗を繰り返したが、戦うことを辞めなかった。そして反省した。故に勝てたのである。
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乗鞍岳 剣ヶ峰、御嶽山は霞んでいた。 |
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鳥居のエビのしっぽはそこそこ成長していた。雪はそれほど深くない。 |
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山頂から北アルプスの山々を望む。そこには槍ケ岳の姿が。 |
山頂でもドローンを飛ばした。ほぼ無風だったので最高のドローン日和だ。もちろんYoutubeにアップしている。
下りも慎重に
下りは
朝日岳東面をトラバースすることとした。
東面には雪崩多発スポットもあるので慎重に、見極めながら一気に下った。お家に帰るまでが遠足なのでご安全に。
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朝日岳東面、2,920m地点。ここをトラバースして北北東へと下る。
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途中まではトレースを貰い、その後東に進路を変えて一気に下った。 |
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下ってきたトレース。 |
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風によってできたシュカブラが美しい。 |
下ってきたら肩の小屋口でスノーシューを忘れず回収。ここまで来ればもう難所はない。少しおなかが減っていたので休憩がてらおやつタイムとした。そのあとはルンルンしながら駐車場へと向かった。
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三本滝レストハウスが見えてきた。ここまで来たらあともう少し。だが結構時間がかかる。 |
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\コンニチワ/ |
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最高の天気だった。 |
今回、
無事に登頂できたのは前回の失敗を反省し、活かすことができたからだろう。もちろん、
失敗しなくても山行を振り返ることはとても重要である。みなさんもぜひ振り返って、あーでもないこーでもないと言いながら
安全に楽しんでもらいたいと思う。それも
登山の醍醐味の一つだ。
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下山即牛乳でタンパク質補給。車外でキンキンに冷やしておいた。低温殺菌とはそういうことだ。 |
アクションカメラで撮影した動画もYoutubeにアップしている。相当暇な人は見てもいいだろう。
こちらはドローンでの空撮動画。
以上、ここまで読んでいただきありがとうございました。少しでも面白いと思ったり、タメになったと感じたら下記のバナーをポチっと押してもらえると、記事作成の励みになります!
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