完結:国内3000m峰全踏破の北アルプス編。
国内3000m峰のうち、北アルプスに位置する山を全踏破すべく槍ヶ岳から前穂高岳までを縦走してきたお話の完結編(3日目)です。2日目の記事をまだ読んでいない方は先にこちらをどうぞ。
重太郎新道で散る。
不穏な小見出しである。3日目、最終日となるこの日は穂高岳山荘を出発し奥穂高岳、前穂高岳に登り、重太郎新道(じゅうたろうしんみち)で上高地へ下る行程だ。この日は救助ヘリを2回は見た。事故には気を付けたいものである。
3日目:晴天の奥穂高岳と前穂高岳を経て、重太郎新道へ。
ルートとコースタイム
日にち:2020年8月14日(金)(3日目最終日)
時間:9時間(6時間予定)
距離:14.28km、361mD+,1757mD-、下り基調
S穂高岳山荘07:5608:28奥穂高岳08:3408:34穂高岳08:3908:39奥穂高岳08:4208:42穂高岳08:5008:55南稜の頭09:1910:12紀美子平10:2410:36前穂高岳11:0411:14紀美子平11:4714:15岳沢小屋14:2215:23見晴台15:2916:14岳沢湿原・岳沢登山口16:1716:26日本山岳会上高地山岳研究所16:2716:31河童橋16:3716:38無料トイレ16:43上高地バスターミナルG
おはようございます奥穂高岳
おはようございます。この日は朝早く起きて奥穂高岳3190mでご来光を見る予定だったが、疲れていたし起きれる気もしなかったので予めゆっくり起きることを伝えておいた。コースタイム的にもそれほど長くはないし、工程の半分以上は下りなのでゆっくりしたかった。嫁はテント場からご来光を楽しんだようだ。そんなこんなで私は7時前に起きたと思う。朝ごはんは尾西のアルファ米に、ロードバイクチームのチームメイトうえばにもらったおかず(ごぼう)などを食べた。
テントの撤収作業を進めていると警察から声を掛けられた。どうやら8時ごろにヘリが着陸するらしく、ヘリポート近くにテントを設営していたので聞かれたようだ。それまでに撤収することを伝え、準備をした。出発しようとしていたころ、脚を怪我した人がヘリポートへ運ばれて来ていた。きっとヘリで下界に運ばれるのだろう。ちなみに私が使っているガスバーナーはSOTOのウインドマスターです!軽くてコンパクトで、高所や低温でも安定して動作するのでオススメ!紹介記事も書いているのでよかったら読んでください。
穂高岳山荘から奥穂高岳まではそれほど距離は無いがしょっぱなから岩登りなので、体が温まりアップが完了するまでしばらくはしんどかった。登っている最中、ヘリが着陸しているのが見えた。
ヘリポートにヘリが |
天気は最高で眺望がいい。前日は全然見えなかった槍ヶ岳が良く見えた。富士山も見えるじゃないか。やっぱこれだよな~。
はるか遠くに槍ヶ岳が聳え立つ |
前穂高岳と奥には富士山 |
奥穂高への登りは序盤の岩登り以外は特に大変なところもなくあっさりと到着した。山頂には祠が建っているが、せいぜい4人ほどしか立てる場所がなく中々に狭かった。山頂からはジャンダルムや西穂高岳がよく見える。9月の連休にはジャンダルム→西穂高をやろうかと思っていた。
みんな大好きジャンダルム |
奥穂高岳山頂にて |
前穂高と吊尾根と富士山 |
激せまな奥穂高岳山頂 |
記念撮影を少し待ち我々も写真をとってすぐに移動した。これで3000m峰は10/21座完了である。ちなみに奥穂高岳3190mは富士山3776m、北岳3192mに次ぐ標高第3位の山である。
吊尾根から前穂高岳
奥穂高岳から前穂高岳へは吊尾根を下ってゆき、紀美子平から登り返す。吊尾根はトラバースを主体とした登山道になっており切り立った場所なども特になく道幅も十分ある。人が少なく天気もいいのでドローンを飛ばしました。吊尾根からは上高地川の眺望が気持ちいい。
適当に撮って適当にスマホで編集しただけの奥穂高岳〜前穂高岳の吊尾根 pic.twitter.com/3O5HvU1dNy
— がんちゃん (@K_Kuota) August 15, 2020
南陵の頭、最低コルを越え1時間ちょっとで紀美子平についたが途中で派手に右足をグネった。今までで一番やばいグネり方をしたんじゃないかと思った。とりあえずシップを貼り、テーピングで固定して痛み止めを飲んでおいた。これで何とか大丈夫だろう。
トラバース主体の吊尾根 |
紀美子平 |
紀美子平でザックをデポし前穂高岳へと登る。岩登り主体だが荷物がないためひょいひょいと進んでいく。そして広い頂へと出た。これで11/21座完了。前穂高岳山頂は結構広いのでゆっくり休憩することが出来る。
前穂高岳北尾根を見下ろす |
山頂は広々としている |
前穂高北尾根も登りたいなと思い、しばし眺望を堪能したのち、紀美子平へと戻った。紀美子平で少し補給をとり最後の下り、重太郎新道へと向かった。後は下りだけだ、ひょいひょいだぜ。
重太郎新道の洗礼
重太郎新道の上部は鎖や梯子、急こう配の岩場が連続しています。そんな中、またヘリの音が聞こえてきました。どうやら西穂高岳界隈を行ったり来たりしています。遭難者でしょうか。私たちもあんなことにはならないように気を付けないとななど言いながら、景色を楽しんでいました(フラグ)。
ご安全に |
重太郎新道を下る |
そんな矢先、標高2600m地点あたりで体が宙に投げ出されました。岩場で滑落したのです。その際に右手首を骨折しました。左手も捻挫してしまい両手を使えない状態でしたが自力で歩けるため怪我の処置をして自力下山することとしました。
この岩場の上部から滑落した、3~5mほどは落ちただろうか |
腫れていたので冷却材をあて固定する |
岳沢小屋まで下り、そのまま上高地を目指します、この辺りから勾配もゆるくなり楽ちんです。途中で風穴があるのでしばし涼んでリフレッシュ。滑落地点から4時間ほどかけて上高地バスターミナルへ下山しました(コースタイムだと3時間程度でしょうか)。
岳沢小屋、人気のあるところに着き少し安心した |
癒しスポット風穴、涼しい |
両手を使えない状態での岩下りや、梯子下りはなかなか難儀しました。特に長い2連梯子。登り返しが無かったのが幸いです。さて、見事にフラグを回収したわけですが、事故の詳細については別途記事にしたいと思います。重太郎新道からは西穂高界隈やそこに続く沢の眺めが特によかったです。
そうこうしてなんとか上高地バスターミナルへと下山することが出来ました。嫁にはコケてからはある程度荷物を持ってもらったり、家に帰ってからもかなり心配をかけてしまいました。いやほんとすみません。
何はともあれ上高地と言えばソフトクリームですよね。橋のとこの店はちょうど4時半に販売終了したのでバスターミナルで食べました(嫁の機嫌取れてよかった)。後はバスに乗り駐車場へ戻りましたとさ。
以上、ここまで読んでいただきありがとうございました。少しでも面白いと思ったり、タメになったと感じたら下記のバナーをポチっと押してもらえると、記事作成の励みになります!
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