岩場に強い登山靴 スカルパ リベレライト HDの使用感

2021/02/15

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 スカルパ リベレライト HDを履いてみた感想

これまで使っていたスカルパのシャルモGTXがついにダメになりました。8年近く使ったでしょうか。というわけで新しい靴を色々と探した結果、同じくスカルパのリベレライトHDを買いました。クライミングや岩稜帯、厳冬期の山行など様々なシチュエーションで使用したので紹介します。


リベレライトHDを選んだ理由と使用感

使用目的

まず初めに、これまではスカルパのシャルモGTXを使っていました。この靴ですが、基本的に1年中使っていました。近場のお散歩や低山以外ではほぼほぼこれを履いていたでしょうか。そういうこともあり、新しい靴に求める条件としては以下のようになります。

・ソールがしっかりとしており岩稜帯でも使える。
・雪山でも使えるある程度保温力のあるもの、ただしアルパインブーツは不要。
・4シーズン使える。
・最低限後ろコバがある(現在使ってるアイゼン流用のため)。
・気に入ったデザイン、色(特にオレンジだとよし)である。
・予算は4万円ぐらい。
・シャルモGTXより軽いとなおよい。

といったところでしょうか。つまりオールマイティな靴が欲しかったわけです。上記条件を満たすものを探したわけですが、今回リベレライトHDを選んだ理由は見た目が気に入って、たまたまスペックが上記を満たしていたってところでしょうか。別の候補としてはマムートのNordwand Light Mid GTXも気になったのですが、こちらは保温材入りでどちらかというと冬仕様だったので諦めました。そんなこんなで購入したリベレライトHDの使用感等を紹介します。

商品紹介と使用感

<概要>
まず初めにスカルパの公式サイト(というかロストアロー)を確認すると、以下のように紹介されています。

一般縦走から残雪/岩稜などのテクニカルな登山まで対応するリベレHDのアッパーを、スエードからマイクロファイバーに変更した軽量バージョンで、足を包み込むようにホールドするソックフィットシステムが、不安定な道でも安定した足運びを可能。防水透湿フィルムHDryを採用となっています。セミワンタッチクランポン対応。

やはり岩稜帯を安定して歩くためにはほどほどの硬さのソールが必要だと思います。また、靴自体のプロテクションもしっかりしている方がいいでしょう。そのあたりの要望をソール(ビブラム・プレシジョン テックロール)と足を包み込むソックフィットシステムなどですべて満たしているように思います。

独特なカラーリングがかっこいい

また防水性に関してはゴアテックスではないですが、アッパーはマイクロファイバーと防水透湿フィルムHDryで十分な性能を備えてるように思います。

重量に関してはリベレHDは690gですが、リベレライトHDは660g(#42、1/2ペア)となっておりそこそこ軽量です。さすがライト。ちなみにシャルモGTXは720gとなっていたのでペアで120gほどの軽量化でしょうか。同クラスの登山靴に比べてもそこそこ軽量になっています。

価格も実売3万円半ば程度と割と購入しやすい価格で、リベレHDよりも安くなっています。ギリギリ予算内でした!

<使用感>
さて、ここからは実際に使用した感想です。見た目的にもスペック的にも気に入っているお気に入りシューズですが、微妙だと感じた点もいくつかあるので包み隠さず紹介したいと思います。ちなみに足型とか細かいことはよくわかりません。私はそういうのはあまり気にしないタイプです。この記事を書くまでに、下記の山行で使用しました。最近の山行はほぼ履いていますね。



〇ソールの感触
岩稜帯やアルパインクライミングでの岩場で使っても不満がありませんでした。十分なソールの硬さがあると思います。また、砂場や濡れた路面でもしっかりとフリクションを確保できているようで、特段滑るような感触はなく安心して使用できました。ソールはビブラムですが、旧モデルのスカルパシャルモGTXのビブラム ムラツとほぼ同じパターンのようです。よく見ると多少違いがあるかなといった感じで、ある意味完成されたソールなのでしょう。

ビブラム・プレシジョン テックソール


ソール回りについて一つ気になる点を挙げるとすれば、ランドラバーが比較的耐久性が低いような印象を受けました。そう思った理由としては使用数回でラバーに切り傷がついたこと、一部ラバーとアッパーの境界部分がすぐに少し欠けてしまったことでしょうか。ただこれは、岩稜帯やクライミングでガシガシ使ったのが大きな理由かもしれません。傷や欠け自体がここからすぐに大きくならないようであれば特に問題はないと思います。

ランドラバーの耐久性が少し気になる


〇透湿性と防水性と保温力
必要十分だと思います。軽い雨や厳冬期の雪山でも使用し、沢で靴が水に完全に浸かる(足首より下まで)ような状況を数回繰り返しても、靴内への水の侵入は特にみられませんでした。それなりの防水性を確保しつつ、靴内が特段蒸れるといったようなこともなく快適でした。

厳冬期の八ヶ岳でのアルパインでも

保温力については特段保温材などは入っていませんが、気温がギリギリマイナスになる残雪期レベルなら、靴下などで十分対応できるでしょう。逆に気温がマイナス2桁になるような厳冬期では人によっては不十分だと思います。

私は保温材のないシャルモGTXで十分対応できていたので(足回りも比較的寒さに強いようです)、この靴で問題ないと感じました。実際に下記のような氷点下二桁になる山行でも問題ありませんでした。止まっていると流石に冷たさを感じますが、凍傷の恐れになるといった感じは特にないです。止まっていたから冷たい、といった感じです。

一般縦走から残雪/岩稜などのテクニカルな登山まで

逆に保温材がしっかり入っているような靴やブーツは私の使用目的(一つの靴でオールシーズン対応!)にマッチしないので選択肢から外れるでしょう。入ってても軽めの保温材がいいなと思います。といいつつ、結構酷使してるので冬靴も欲しいなと思ってしまいます。というかブーツほしい。。。ファントムいっとくか??

〇疲れにくさ
標準で入ってるインソールはぺらっぺらでなんの工夫もないように感じます。なのでインソールにる足に対する負担軽減は期待しない方がいいでしょう。実際に山行時間が長くなると、クッション性のある軽登山靴に比べて、それなりに足裏の疲労感や重さによる疲れを感じました。ただ、このグレードにしては比較的軽量なのでそれほど疲れる感じではなかったです。

と言いつつ、インソールは気に食わなかったので別のインソール(ショックドクターウルトラ2)に交換しています。このインソールは結構感触がよく、疲れも減りました。靴もそうですが、インソールも付属の物から変えるとかなり大きく差が出ると思います。その内容はまた別の記事でご紹介したいと思います(気が向いたら)。



〇イマイチな点
全体的にいい靴なのですが、靴紐を留める金具が微妙に使いにくいです。特に上3つの金属金具が使いにくく、うまく固定できないことがあります。金具に紐をかけても手を離すと外れるといった感じです。せめて上から3つ目の部分ぐらいは、紐をひっかけると仮固定されるような金具だといいなと思いました。

このあたりは靴ひもの結び方を工夫すれば若干どうにかなる気はします。例えば最後の上二つは一番上を先にとめて、最後に上から二番目を留めたりしています。まぁこれは解けにくさの話なので、靴紐自体の留めやすさとはまた別の話ではありますが。

金属金具が若干使いにくい

大体感想としてはそんな感じです。多少気に食わないところはありますが性能としては求めてるスペックに対して申し分ないと感じています。といっても決して安いというほどでもなく、価格相応のスペックで、最近の流行りや素材、機能を取り入れている優秀な靴だなという印象です。要するにカラーリングが気に入ってるということです。

やはり岩場でその性能が存分に発揮されると感じた

以上、ここまで読んでいただきありがとうございました。靴購入の参考になればいいなと思います。

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